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「このままだと、大きな事故が起こりかねない」飯伏幸太が“危険なプロレス”に警鐘を鳴らす理由…丸藤正道との“夢のカード”で何を見せるのか?
posted2023/12/31 17:01
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Gantz Horie
プロレスリング・ノアの2024年最初のビッグマッチ、1.2有明アリーナ「NOAH “THE NEW YEAR” 2024」で、NOAHの象徴である丸藤正道と、現在アメリカのメジャー団体AEWで活躍する飯伏幸太の一戦が実現することとなった。
NOAHの年始のビッグマッチといえば、今年の1.1日本武道館でグレート・ムタとWWEスーパースターの中邑真輔の一騎打ちが実現し“奇跡の対決”と言われたが、2024年も実現不可能と思われた夢のカードがプロレスファンへのお年玉として届けられる。
「DESTINY 2024」と題された“運命の一戦”が決まったことについて、飯伏はこう想いを語る。
「丸藤さんとの試合は過去に(’09年4月と’10年7月に)二度流れていて、その後、ボクは新日本プロレスに参戦して、数年後には新日本とNOAHが関わらなくなっていったので、現実的にもうやることはないのかなと思ってたんです。
僕自身、ここ10年くらいはいろんなことがありすぎて。(新日本とDDTの)2団体同時に所属したり、WWEにちょっと行ったり、マスクを被ったことがあるような気もする(笑)。そして5年前、『もう一度ここで勝負しよう』という思いで新日本に戻って勝負して、ジュニアもヘビーもほぼすべてのベルトを獲って、もう正直やり残したことはないなと思った時に、『まだ、これをやってなかったじゃないか』と思い出したのが丸藤さんとのシングルマッチだったので、やり残したものを取り戻しにいく感じですね」
「たぶん最初で最後だなと思って」
この一戦が動き出すきっかけはSNSだった。丸藤がX(旧ツイッター)に2010年7月25日のDDT両国国技館大会で行われたケニー・オメガとのシングルマッチの動画を上げて「もう一度試合をしてみたい相手だよね。はるか彼方にいるかもしれないが……」と投稿。
この時に首をロープに打ちつけて右腕の肩から下の力が全く入らなくなり使い物にならなくなった。
— 丸藤 正道 (@noah_marufuji_) October 16, 2023
その後も右腕が動かなくて最後の技も危ない落とし方をしてしまった‥プロとして相手に対して申し訳なく、これは本当に心残り。
もう一度試合をしてみたい相手だよね。
はるか彼方にいるかもしれないが‥ https://t.co/P2MbrOJGNT pic.twitter.com/luJ93Vadfd
それに反応したのがケニーの盟友である飯伏幸太だった。飯伏は丸藤の投稿に対して「では本来やるはずであった自分とはできませんか? あの時の責任も兼ねて。あの時とは形が違うかもしれないけど、自分がやり残した事の1つにvs丸藤さんがあります」と返信。
そう、この時の丸藤正道vsケニー・オメガは、当初予定されていた丸藤正道vs飯伏幸太が、飯伏の肩の負傷で中止になったことで組まれた一戦だったのだ。
「SNSで丸藤さんの投稿を見た時、実現できるならたぶん最初で最後だなと思って『自分ではどうでしょうか?』という返信をさせてもらったんですよ。丸藤さんからの(SNS上での)正式な回答はなかったんですけど、後日、NOAHさんの方から正式なオファーが来て、僕の中には選択肢は一つしかなかったので、もう即『やらせてください』と返事をしましたね」