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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
東農大名物“大根踊り”、今年の大根は学生の“手作り”だった! 応援団長が明かす、土作りから大手町に届くまで…「見に来ますか?」記者は畑へ向かった
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/01/02 13:46
12月某日、厚木キャンパスの大根畑にて。東京農業大学の応援団長に大根踊りについて根掘り葉掘り聞いた
日比谷公園ガーデニングショーでの応援披露も
全学生を率いる形で活動する応援団は、正式には「リーダー部」に所属する「幹事」という立場だ。その活動は週4日。年に3回ほど合宿もあり、徹底的に体と心を鍛え上げている。駅伝の他にも、野球、サッカー、ラクロス、相撲などの各部の応援に駆けつけており、キャンパス近隣のお祭り、トラックフェスタや日比谷公園ガーデニングショーなどのイベントに呼ばれ、応援を披露することもある。
12月上旬、東京・世田谷キャンパスで行われた応援団の合同練習。閑静な住宅街の中に突如現れる広大なキャンパスに、勇ましい声が響き渡った。
『今日も勝たずにおくものか そりゃ突き飛ばせ投げ飛ばせ』
団長「練習のための練習じゃない」
「青山ほとり」を腹の底から歌いながら部員たちが馬跳びに励む。腕立て伏せに腹筋、背筋……。ランニングには両手に水入りのペットボトルをつかんでいる。これはもちろん、正月の晴れ舞台で掲げ持つ大根を想定したものだ。
「それじゃ体力持たないぞ!」
「押忍!」
上級生から熱い叱咤激励が飛ぶ。加藤団長が真剣な眼差しでつぶやいた。
「練習のための練習じゃないので。練習から本番を見据えてやらないと」
想像以上に気合の入った応援団の練習風景……。「大根踊り」は果たしてそれほどまでハードなのか。そもそもなぜ、その手に大根を? 謎多き「大根踊り」には、実は100年の歴史と様々な思いが込められていた――。
〈続く〉