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なでしこ過酷ブラジル遠征での“礼儀正しさ”に現地記者が感動…エースMF長谷川唯「サインお願いします、と見えたので」1勝1敗以上の意義

posted2023/12/06 17:51

 
なでしこ過酷ブラジル遠征での“礼儀正しさ”に現地記者が感動…エースMF長谷川唯「サインお願いします、と見えたので」1勝1敗以上の意義<Number Web> photograph by Ricardo Moreira/Getty Images

日本-ブラジル第1戦のスターティングメンバ―。1勝1敗の結果だけではない、なでしこジャパンが見せた振る舞いとは

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Ricardo Moreira/Getty Images

 11月下旬から12月初めにかけて、なでしこジャパンがブラジル・サンパウロへ遠征し、ブラジル女子代表と2試合を行なった。

 11月30日の初戦は3-4で惜敗したものの、12月3日の2戦目は2-0で勝利を収めた。

 試合内容、そして試合後に見せた監督、選手たちの“品格ある振る舞い”については後でお伝えするが――最初に日本のフットボール・ファンにお伝えしておきたいのは「なでしこの選手たちにとって、これほど過酷な遠征はおそらくキャリアで最初にして最後なのではないか」ということだ。

片道約30時間で時差12時間、冬から夏…過酷な遠征

 まず、時差の問題がある。遠征メンバーのレギュラーの約半分が日本で、残りが欧米でプレーするが、ブラジルとの時差は日本が12時間、欧米が数時間。第1戦の開始時間が現地時間の午後3時15分だったが、日本では未明の3時15分。昼夜が完全に逆転している。このキツさは、体験した人にしかわからないだろう。

 そして、日本からだと飛行機で乗り継ぎを含めて約30時間という超長旅で、気候も正反対。日本も欧米も寒さを増す冬季に差し掛かっているが、ブラジルでは2試合とも試合開始時点で摂氏30度を優に超え、しかも蒸し暑かった。

 一般に、暑い所から寒い所へ行くのと比べ、寒い所から暑い所へ行く方が適応が難しいとされる。しかも、ブラジルの紫外線は日本より強い。試合中、選手たちは頭を強く叩かれ続けたような気がしたのではないか。

 さらに試合間隔は中2日。2試合目で、先発メンバーをなでしこは5人、ブラジルは6人入れ替えた。

なでしことブラジルの状況を比較してみると

 この2試合を迎えた時点での、なでしことブラジルの状況を比較しておこう。

 なでしこは、今年の7~8月にかけて行なわれた女子W杯グループステージ(GS)を3戦全勝で首位突破(※結果的に大会の覇者となったスペインに4-0と圧勝)。得点11、失点0の好内容で、世界中から賞賛を浴びた。ラウンド16でもノルウェーに快勝したが、準々決勝で大会3位となったスウェーデンに惜敗した。

 その後、2024年パリ五輪のアジア2次予選を3戦全勝で突破し、来年2月末、北朝鮮との間で行なわれる最終予選を突破すれば五輪出場権を獲得する。

【次ページ】 17歳CB古賀らが先発した第1戦は2点差を追いついたが

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