濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「鈍臭いのはずっと変わらない」元アイドルの女子プロレスラー・神姫楽ミサが取材中に流した“涙の意味”「勝ちに貪欲でいたい」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/11/09 17:01
JTO所属の女子プロレスラー神姫楽ミサ
「大事なのは“できる、できない”じゃないんだなって」
一緒にプロレス観戦した杏ちゃむも2018年にプロレスデビューしており、対戦することができた。人生のいろいろな場面がプロレスにつながっていく。生まれて初めてプロレスを見たのは幼い頃だったそうだ。
「私があまりにおとなしいので、活発になるようにって親に連れて行かれました。全日本女子プロレスの大会で、アジャコングさんと握手してもらったのは覚えてます」
1時間ほどの取材で、書ききれないほどのエピソードを語ってくれた。鈍臭くて技術もまだまだ、でも神姫楽ミサはプロレスラーになるべくしてなったのかもしれない。
「大事なのは“できる、できない”じゃないんだなって」
運動神経抜群の選手もいれば、マット運動から苦労する者もいる。なんでもできる者ばかりではないが、それでも努力し続ければなんとかなるのがプロレスの世界なのだろう。大事なのは“できる、できない”ではなく“やるか、やらないか”。彼女は“できない”選手だった。でも確かに“やった”のだ。