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バルサを苦しめた久保建英にチャビ監督「素晴らしい」、だが結末は悲劇…撮影前「タケが2点取って勝つ」地元バル店長の愛に沁みる重責
posted2023/11/08 17:54
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
11月4日、久保建英所属のレアル・ソシエダはラ・リーガ12節、対バルサ戦を迎えた。地元紙風にこの試合を総括すると……。
Take Kubo、バルサ相手に躍動。しかしチームは、終了間際の失点で敗戦。
こういった具合だろうか。
そしてバルサの育成組織で育った久保にとっては、古巣との対決でもあった。現地スポーツ紙でもこの対戦を前に、なぜ久保がバルサに残らずマドリーに移籍してしまったのかを、詳らかに報道するなど注目を浴びている。
またスポーツ紙だけでなく、バルセロナ一般紙のスポーツ面でも特集が組まれた。バルサとの対戦自体はすでにマジョルカ時代から何度も経験しているが、ここまでの報道は初となる。
昨シーズン末からの継続的な活躍により、自チームサポーターや地元メディア以外にも注目される存在になってきたと言える。
イマノル監督が語る「タケのモチベーション」
ただ、ソシエダ指揮官イマノルは言う。
「タケはモチベーションでいっぱいだよ、でもそれは古巣との対決だからじゃない。チュリウルディン(バスク語で白と青)を纏い、たくさんのホームサポーターの前で戦うことができる。相手は関係ないんだよ」と。
バルセロナ空港から向かったサンセバスチャン、窓の外は真っ白の雲に覆われていた。
分厚い雲を抜け着陸態勢に入ると、海岸に打ちつけ飛び散る激しい白波の様子が見てとれた。
この日を前後にスペインは低気圧に覆われ、全土で強風による警報、被害が出るほどだった。それでも幸い定刻運航された機内には、バルセロナを本拠とするスポーツ紙の記者やカメラマンなどの姿と共に、バルサのユニフォームを纏ったサポーター、それに多くの久保を応援しに行くであろう日本人の姿も目についた。
番狂わせを願う雰囲気の中、オヤルサバルや久保が…
キックオフは、スペインのTV視聴率のゴールデンタイムとなる21時。
バルサ、マドリーを除くクラブサポーターにとってホームでの2強との対戦は、シーズンのメインイベントの1つとなり得る。
CLでの優勝を成し遂げた経験を持つ相手に失うものはない、スーパースターを目の前に心置きなく野次を飛ばし、自チームが“ジャイキリ”を起こすようなら――次節まで有頂天で過ごすことができる。
この日の観客者数は3万7000人超、ほぼ満席に近かった。
その中には、いつもの様に久保らへのメッセージを掲げるファンと共に、バルサ選手へのメッセージを掲げる地元民と思われるファンの姿も多く目についた。
試合は、ホームチームの波状攻撃で始まる。