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“監督解任”3連敗に傷心の久保建英「冬の移籍、さすがにない」と日本代表戦後に語ったが…「大ブーイングのサポーターに感謝」ソシエダ危機のリアル
posted2025/12/16 06:00
降格圏の相手にホームで痛恨の敗戦を喫したレアル・ソシエダ。久保建英も傷心の様子だった
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中島大介Daisuke Nakashima
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Daisuke Nakashima
ラ・リーガ16節、久保建英所属のレアル・ソシエダは、ホームでジローナFCと対戦した。前半の主導権を握ったソシエダは、35分に先制点を奪うことに成功。ただ後半に入り勢いを取り戻した相手に2得点を奪われ、痛い黒星を喫した。
この敗戦でリーガ3連敗となったソシエダは翌日、今季から指揮を執っていたセルヒオ・フランシスコ監督の解任を発表した。危機的状況を迎えつつあるクラブの中で――この試合に先発フル出場し、痛恨の逆転劇に傷心の様子だった久保の写真とともに振り返っていく。
「降格圏と勝ち点4差…負けると苦しい」の声
12月12日、この試合の撮影のためにスペイン北部サンセバスチャンへ向かった。
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金曜夜21時のキックオフのため、夜の遅いスペインとはいえ陽はすでに落ちていた。スタジアムまでの街灯に照らされた一本道では、バルの店先でビールやワインを片手に盛り上がるサポーターの姿があった。薄手のダウン姿のファンが多かったが、比較的暖かな気温でユニホーム姿も目についた。
カメラマン控え室では、試合前時点での順位表を見ながら……。
「ソシエダは14位、今日の相手は降格圏18位ながらもポイント差はわずか4、負けると苦しい」
またちょうどその頃発表された先発メンバーを確認しながら、「よしTakeは先発。お、サディクがいない」という現地メディアの声が聞こえてきた。
キックオフ前には舞踊に合わせて鳴らされた木管の音色が神秘的に会場の空気を盛り上げたが、今季の成績不振により空席の目立つスタジアムへ、ファンを後押しする苦肉の策のようにも感じられた。
この日も観戦するには比較的都合の良い金曜夜開催にも関わらず、撮影する選手写真の背景には空席が目立った。
開始2分、久保は決定的チャンスを迎えたが
キックオフ直前、ピッチに並ぶソシエダの布陣を確認すると、エースのオヤルサバルの負傷離脱によりサディクの先発起用が続いていたCFのポジションには、今季加入後サイドでの起用が続いたゲデスが入り、やや下がり目の右サイドに久保、左サイドにバレネチェアの両翼を配置した、今季初のシステムでのスタートとなった。



