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バルサを苦しめた久保建英にチャビ監督「素晴らしい」、だが結末は悲劇…撮影前「タケが2点取って勝つ」地元バル店長の愛に沁みる重責 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2023/11/08 17:54

バルサを苦しめた久保建英にチャビ監督「素晴らしい」、だが結末は悲劇…撮影前「タケが2点取って勝つ」地元バル店長の愛に沁みる重責<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ガビのチェックを前に果敢な姿勢を見せる久保建英。バルサ相手にも存在感を見せたが

 ソシエダもまた前節、終了間際のゴールで追いつかれ勝ち点2を失っている。

 もっと言えば――前節だけではなく、アトレティコ・マドリー戦、CLインテル戦など、強敵相手の善戦が水泡に帰してしまう終了間際の失点で勝ち点を失った。そこにはレギュラー陣とサブメンバーの間にある力量差が大きくのしかかる。

 さらに次週には、中3日でCLベンフィカ戦が待っている。それでも監督イマノルは、久保のフル出場を選択。バレネチェア、オヤルサバルも疲れが見える中、79分、84分と最終盤まで起用し、バルサ相手に勝ち点を奪う意志を見せたのだが……。 

終了間際の決勝点に対照的な両チームの表情

 ゲーム最初の得点が生まれたのはアディショナルタイムに入った92分、ギュンドガンのクロスに大外から飛び込んだアラウホが頭で合わせてネットを揺らした。

 ラインズマンの判定によって即オフサイドが言い渡された。しかしその後VARによる確認が行われ、ゴールが認められると、勝利を確信したバルサは喜びを爆発させ、ソシエダは繰り返された悲劇に茫然自失となった。

 そのまま試合終了を迎えると、バルサの面々は改めて勝利を喜び、それとは対照的に――久保は身体を支える様に膝に手を当てると、しばらく動くことができなかった。

 そして元チームメイトとの試合後の挨拶も、力無く無心でこなしている様にさえ見えた。

 この敗戦で7位まで順位を落としたソシエダ。バルサ相手の善戦に、最後まで勝利を目指すのか、引き分けでいいのか、難しい局面であったことも否めない。指揮官、そして選手たちが一番痛感しているはずだが、この敗戦を不運や過密日程を言い訳にすることはできない。

 目の前にはCLグループステージ突破への大一番ベンフィカ戦、さらに週末にはアルメリア戦が待つ。

荒天の中、入りそびれていたサンセバのバルへ

 バスク山脈の麓から流れるウルメア川は、サンセバスチャンの街中を通り、ビスケー湾へと流れ着く。

 前述の低気圧の影響で海から流れ込む波が、クルサール橋のたもとにぶつかり大きく飛沫を上げていた。観光客や地元の人たちが恐る恐る、そんな様子を眺めていると突然豪雨が降り出す――そんな荒れた天候だった。

 夕方頃には雨は止み、気になるのは風だけというのは幸いだった。

【次ページ】 バルの店長、チャビともに認める「タケ・クボの力」

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