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《阪神ドラフト1位》青学大174cmの“小さなエース”下村海翔が持つ驚異のポテンシャル…日米大学野球では「東都7人衆」で最も活躍&MVPのナゼ 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2023/10/26 17:27

《阪神ドラフト1位》青学大174cmの“小さなエース”下村海翔が持つ驚異のポテンシャル…日米大学野球では「東都7人衆」で最も活躍&MVPのナゼ<Number Web> photograph by Yu Takagi

174cmと投手としては小柄ながら、日米大学野球では他のドラフト候補を抑えてMVPに輝いた青学大の下村海翔

 下村も150キロ前後の直球を投じるとはいえ、初見だけではスケールの大きな前述の投手たちと比べると地味に映った。だが、大会が終わる頃には名実ともに侍ジャパン大学代表の中心にいる存在となっていた。

 今秋の東都大学リーグでは、他校の警戒も強まり勝ち星こそ2勝に留まったが、楽天、広島から1位指名を受けた常廣羽也斗とともに投手陣を牽引。「負ければ優勝が無くなる」日大との1回戦では7回3安打無失点の好投で勝利に導くなど大一番で力を発揮し、終わってみればシーズン通して防御率1.71の好成績で春秋連覇に貢献した。

 そんな下村の強気な性格はマウンド上だけでなく、野球人生の道を切り拓く原動力にもなっている。

 兵庫県西宮市の生まれ。父とのキャッチボールをきっかけに野球を始めたが、中学生時代までは投手としての実績はさほどあるわけではなかった。宝塚ボーイズの一員として、中学硬式野球の日本一決定戦とも言うべきジャイアンツカップには出場しているが、背番号は8でメインは外野手。投手としては2番手だった。3月27日生まれの早生まれで「中学生までは同級生と成長の差を感じていました」と振り返る。

 それでも下村は県外に出て腕を磨くことを決心する。

高校は兵庫から越境して福岡・九州国際大附高へ

 宝塚ボーイズはOBである田中将大(駒大苫小牧→楽天ほか)のように県外に出る選手が多かったこともあり、下村の希望によって福岡・九州国際大附高に練習を視察してもらい、入学にこぎつけた。

 そして、この覚悟を決めて飛び込んだ地で今に繋がる武器を習得する。同校を率いていた楠城徹監督(今夏で勇退)は元プロ野球選手で、引退後もフロントとして活躍し西武と楽天でスカウト部長を歴任。そんな経験豊富な指揮官は、変化球を大きく曲げようとしていた下村に対し、ストレートに近い軌道を描き打者の手元で小さく曲がる変化球を投げるよう指導。その中でスライダーを「速く、曲がりを小さく」と追求するうちに現在のカットボールを身につけた。

【次ページ】 「体の大きな選手に負けない活躍をしたい」

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