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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「おい、サジ」ふらりと現れた岡田彰布監督が明かした18年前の“答え合わせ”…元リリーフ右腕・桟原将司が振り返る「岡田語録」に隠された“信念と情”
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/20 11:31
最終回をきっちりと抑えた桟原を岡田監督が出迎える(2004年)
あの年は6月以降、一軍に定着し、26試合に投げた。岡田が指揮を執る5年間は一度も敗戦投手にならなかった。09年までの116試合無敗は当時の日本記録だった。
23年9月14日、岡田は監督復帰1年目からタイガースを18年ぶりのリーグ優勝に導いた。岡田が宙を舞うのは、桟原もその場にいた、あの日以来である。
「僕らの時、岡田監督は1年目から鳥谷敬さんを使い続けましたよね。今年も大山悠輔選手を4番で使い続けたり、一度は二軍に落ちた佐藤輝明選手も使い続けている。『何とかこの選手を』という信念があるのだと思います。いま思えば、僕も1年目がプロでピークの44試合に投げたのですが、それも岡田監督に期待してもらって、使い続ければ……と思ってもらっていたのかもしれません」
優勝を記念したチャンピオンズリングは自宅に保管する。たった一度の優勝は、人生に大きなものを残してくれた。
「岡田監督に感謝しています」
この日も昼が過ぎると食材を仕込む時間がやってきた。包丁を握り、鶏を丁寧に切り分けていく。
「野球を辞めて11年、阪神を退団して12年ですが、05年に優勝した意味は大きい。試合で使ってもらった岡田監督に感謝しています。優勝メンバーとして6月からずっと帯同させていただいたし、それがあって、今の仕事にすごく繋がっています。阪神ファンの方に来てもらったり『めっちゃ見てたで』と言ってもらえますからね」
マウンドからキッチンへ。日が落ちると今日もまたプレーボールの時を迎える。