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パリ世代エース細谷真大と新戦力が光ったメキシコ戦4-1…バイエルン福井太智に快速ウイング、“持ってる”FW内野航太郎の魅力は何だ?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byYuki Matsuo
posted2023/10/16 11:17
メキシコ相手にゴールを挙げた細谷真大。4-1の勝利ではエースと新戦力の充実が見られた
その一つがエースの頼もしさであり、もう一つが新戦力のアピールである。
「活動機会が限られているので、ある程度メンバーを固めながらチームを作っていきたい」
大岩監督がそう語ったのは、チーム立ち上げ1年目、22年の年末のことだった。
実際、鈴木彩艶(シント・トロイデン)、藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)、山本、鈴木唯人(ブレンビー)、細谷、斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)といったチームの軸となる選手たちの顔ぶれに、大きな変化は見られない。
松木、福井、チェイスなど“U-20W杯組”も融合中
だが、少しずつではあるが、機を見ながら、戦力の充実が図られている。
イングランド、オランダと対戦した6月シリーズでは、FC町田ゼルビアのJ2躍進の立役者であるウインガーの平河悠を初招集。武器であるスピードだけでなく、戦術理解度の高さも示した平河は指揮官のお眼鏡に適い、9月のパリ五輪アジア1次予選、今回のアメリカ遠征とコンスタントに選ばれるようになった(今回は負傷のために辞退)。
9月シリーズでは、5月にU-20W杯を戦ったひとつ下の世代の代表チームから松木玖生(FC東京)と高井幸大(川崎フロンターレ)が引き上げられた。松木は今回も引き続き選ばれ、今シリーズではさらに“U-20組”から福井、チェイス・アンリ(シュツットガルト)、GK木村凌也(日本大学)が招集された。
近藤と新井の快速ウイング、アジア大会で光った内野航
さらに、ふたりの快速ウインガー、近藤友喜(横浜FC)と新井悠太(東洋大学)を初選出。9月のアジア競技大会で4ゴールと気を吐いた内野航を追加招集でチームに加えた。
先日、バイエルンでトップチームデビューを飾ったばかりの福井は、メキシコ戦に“常連組”の藤田を押し退ける形でアンカーとして先発。前半は連係に苦しんでいたが、後半に1アシストをマーク。「この年代でも自分が中心になっていけるようにやっていきたい」と語り、チームに新しい風を吹かせた。
近藤と新井は後半途中からそれぞれ右と左のウイングに入って、得意のドリブルで仕掛けていく。
1アシストをマークした近藤が「自分の良さを随所で出せた」と自信を滲ませたのに対し、新井は「自分の理想的な突破ができなかった」と悔やんだが、相手DFがその仕掛けを嫌がっているように見えたのは確かだ。
そして、“持ってる男”内野航である。