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「人生で今が一番いいバスケができている」渡邊雄太(29歳)が“最高のタイミング”で巡り合ったビッグ3「これまでと違うNBA6年目の開幕」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/10/13 06:03

「人生で今が一番いいバスケができている」渡邊雄太(29歳)が“最高のタイミング”で巡り合ったビッグ3「これまでと違うNBA6年目の開幕」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

本日(10月13日)に29歳となった渡邊雄太。新天地フェニックス・サンズでどんな活躍を見せてくれるだろうか

 今回、サンズの関係者と接して感じたのは、“10チーム以上に声をかけられた”という争奪戦を経て獲得された渡邊がすでにチーム内で確かなリスペクトを得ていることだ。

「(サンズの“ビッグ3”は)人間的にも本当に素晴らしい人たちですし、KD同様、すごい練習熱心。率先して自分たちからリーダーとなってくれてますし、同時に僕のシュート力を買ってくれているとも感じています。練習中、同じチームになると、僕がオープンになった時にはすかさずパスをくれるんです。昨シーズンの自分の1年間の活躍っていうのが評価されているのかな、というのは感じています」

 渡邊は嬉しそうにそう述べていたが、実際にシュート力、ディフェンス、ハッスルをハイレベルで供給できる背番号18は、“優れたロールプレーヤー”としてチーム内外からしっかりと認識されているのだろう。

大学時代では想像できなかったキャリア

 ここまで長い道のりだった。2018年にドラフト外でNBA入りした渡邊は、メンフィス・グリズリーズ、トロント ・ラプターズ、ネッツと経験する中で確実に階段を上がってきた。特に昨季は多くのスター選手を抱えていたネッツで3Pシューターとして開花し、一流シューターの基準の1つである40%をクリアする44.4%という成功率をマーク。

 さらに今夏、W杯では獅子奮迅の働きで日本代表を押し上げ、パリ五輪の出場権を手に入れたこともアメリカの関係者には知れ渡っている。

「国を背負ってのプレーをやり切ったのはすごいことだ。彼は勝者だよ」

 渡邊獲得に尽力したとされるサンズのジェームズ・ジョーンズGM&運営部代表がそう述べていたのも印象深い。

 若々しい印象があった渡邊もいつしか29歳(本日10月13日が誕生日)。ジョージ・ワシントン大時代は必ずしもプロ入りが有力視される存在ではなかったにもかかわらず、世界最高のリーグでもベテランと呼び得る6年目までサバイブしてきた。その間も確実な進歩を続けることで、NBAの人間からもついに真の意味で認められたのだ。

【次ページ】 2年契約「精神的にこんなに楽なんだって」

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