人にはいろいろな過去がある。

　現役時代は捕手として、4番として、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた。指導者としては様々な経験をして、批判を浴びることもあった。ただコミュ力も高く、明るく快活でユーモアに溢れた男は、監督となったいま、どんな変化を見せればいいのかも分かっているはずだ。

原監督退任セレモニーで、挨拶をした阿部新監督　©︎Naoya Sanuki

来年度は“アレ”ではなく“アベ”で

「最高のファンの皆さんと共に、喜びをセプテンバー（現役時代の登場曲がアース・ウインド＆ファイアーの『セプテンバー』だった）に味わえればいいと思います。そしてセ・リーグは本年度、まだクライマックスシリーズ、日本シリーズがあります。本年度は“アレ”で盛り上がっています。来年度は“アレ”ではなく“アベ”でいきたいと思います」

　ユーモアを交えて会見をこう締め括った阿部新監督の決意は、こんな言葉に表れていた。

「チームのキーマンは現時点では全員だと思います。自分自身が変わって、そうすればみんなが変われる。全員が変われば絶対に優勝できる」

　阿部慎之助が監督として変わり、そして選手も、チームも変わる。

　その変化こそが2024年へのスタートとなるはずである。