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「日本のバレー、強いよね!」石川祐希が変えた“王国”の価値観…20年前のイタリアでは想像もできなかった「ナカタやハラダと同じ覚悟がある」 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/10/07 11:03

「日本のバレー、強いよね!」石川祐希が変えた“王国”の価値観…20年前のイタリアでは想像もできなかった「ナカタやハラダと同じ覚悟がある」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

キャプテンとして日本代表を牽引する石川祐希(27歳)

 石川はモデナ、ラティーナ、シエナ、パドヴァと移籍と経験を重ねる中で、年々プレーヤーとして脱皮しながら変身を続けてきた。

 試合への取り組み方や取材での発言、バレーへの考え方やアプローチがイタリアナイズされていく中で、石川はかつてイタリアで戦った先達が持っていた不断の決意を育んできたのだろう。2020年夏のミラノ移籍と翌年の東京五輪を経て、彼はセリエAで覚醒した。

 イタリアでは、試合本番での勝負強さや勝利への断固たる決意に満ちた状態のことを「デテルミナート」と呼ぶ。昨季のプレーオフで見せた鬼神めいた石川はまさに「デテルミナート」だった。

 こうなれば周囲の見る目が変わり、もう凡百の選手とは見なされない。ミラノはホームアリーナの今季年間シート販売キャンペーンの広告塔に石川を起用した。もはや石川はチームの顔なのだ。

リスク承知の“優勝宣言”

「スクデットを狙います。僕ら選手もスタッフもクラブも全員獲れると信じています」

 昨季のプレーオフ準決勝の間、現地紙インタビューに応えた石川はセリエA優勝を公言した。

 ミラノのような中堅クラブの選手がスクデットを口にすることは、対戦相手の強豪クラブから生意気だと捉えられ反発を招くリスクがある。だが、クレバーな石川はその反応すら予測した上で、下剋上を成さんとする自分たちに檄を飛ばす意味であえて発言したのだろう。あと一歩でファイナル進出は叶わなかったが、石川は今季も再び最高峰の頂点を目指すにちがいない。

【次ページ】 “非情な世界”で飯を食っていく

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