自分で撮影した動画や、数十秒後にモニターに映る映像でプレーを確認することができるディレイ装置などを使い、自分が目で見た印象と、体の感覚をマッチさせる。

「足はどうなっていたか、利き腕ではないほうの腕がきちんと上がっていたかなど、自問自答をしてフィードバックします。1試合は5セットマッチですから、試合の中で良いパフォーマンスを取り戻しなさいということは大学時代に強く言ってきましたね」（松井監督）

　感覚のずれをいち早く見つけ、丁寧に直す方法を宮浦は大学時代に得ていたのである。

「ブロックも、自分の武器にしたい」

　今大会、ピンチブロッカーとして出場する機会が多いのも、宮浦が成長した証だ。

「これまでは正直、若干ブロックには苦手意識がありました。でも大学からずっとトレーニングを継続してきたおかげでジャンプ力が伸びました。同時にブラン監督のブロック戦術、指示が明確なので、最初から試合に出るときも、途中から入るときも、その戦術に忠実に動くよう心掛けています。それもあってブロックに対する意識は変わりました。これからはブロックも、自分の一つの武器にしていきたい」（宮浦）

　トレーニングの方法を一新してジャンプ力を伸ばしたのではなく、大学時代に教わったバレーボールのプレーにつながるトレーニングを、その後も所属するそれぞれのチームのフィジカルトレーナーのアドバイスを交え、地道に続けてきた成果だと振り返った。

今大会はピンチブロッカーとしての出番も多い宮浦（右）©︎Yuki Suenaga

　現在の宮浦の礎を作ったといっても過言ではない大学時代、松井監督が忘れられない彼の姿がある。

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