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「ショウヘイは今年も信じられなかった」「彼の才能に感謝」チームメイト、対戦監督が絶賛した本塁打王・大谷翔平「最高のホームラン」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/03 11:03
シーズン後半は怪我に泣かされながらも、ホームラン王を獲得した大谷翔平
あの日、大谷本人も満足げだった
6月13日は2打数2安打に1敬遠を含む3四球で勝利に貢献。その翌日は敗色濃厚の9回に21号本塁打を放ったがこれがまた驚愕弾。再び左中間2階席へ運んだが、15年にスタットキャストが導入されて以降最速の打球速度116.1マイル(約186.8キロ)の超速弾。今度は『左打者が逆方向に放った史上最速弾』の称号が与えられた。
そして、6月15日に放った22号2点本塁打もまた逆方向弾。左腕バークのスライダーを思い切り引きつけ体に巻き付くような究極のインサイドアウトのスイングで振り抜いた打球はまたしても左翼2階席付近へ飛んで行った。4戦4発、しかもそのすべてが逆方向弾。自身最長ありメジャー最速ありの離れ業に大谷も満足げだった。
「逆方向には勝手にいっている感じなので、一番それがいいんじゃないかなと思う。見え方がいいので、やっぱり、構えの段階で。結果云々ではなく、なるべくしてなっている感じがいいんじゃないかなと思います」
大谷が広報を通じて語ったこと
6月12日に放った20号本塁打以降、大谷が本塁打王の座を他に譲ることはなく、ぶっちぎりでのタイトル獲得。全日程終了の現地10月1日、日本人として初の本塁打王に輝いた大谷は広報を通じこんなコメントを残した。
「MLBでこれまで活躍された偉大な日本人選手たちのことを考えると大変恐縮であり光栄なことです。この目標を達成するのに協力してくれたチームメイト、コーチングスタッフ、ファンに感謝します」
本塁打王も大谷にとっては目標のひとつ。日本人打者には縁遠いと決め込んでいた先入観を恥じるとともに、己の力と可能性を信じ邁進することのできる大谷翔平には『不可能の文字はない』とあらためて感じた。