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「ショウヘイは今年も信じられなかった」「彼の才能に感謝」チームメイト、対戦監督が絶賛した本塁打王・大谷翔平「最高のホームラン」
posted2023/10/03 11:03
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
輝かしい日本人打者初の本塁打王。数ある投打個人タイトルの中で、日本人選手には最も縁遠いと思われていたパワーヒッターの称号をついに大谷翔平が手にした。
2021年に46本塁打を放ちながら、わずか2本差でゲレロ(ブルージェイズ)、ペレス(ロイヤルズ)の後塵を拝した。この時点で、いつかこの日はやって来ると信じていた。日本人打者として01年にイチロー(マリナーズ)、新庄剛志(メッツ)が初めて海を渡ってから23年目、戦いを挑んだ野手は総勢19人。44本塁打で大谷翔平が初めてパワーの象徴である本塁打の世界で頂点に立ったことは感慨深い。
あのジャッジも羨んだ大谷の技術
球場で大谷の本塁打を見たファンは、誰もが他の打者とはまったく違う打球音に驚かされる。一際大きく、甲高いボールを砕くクラッシュ音は特大の飛距離とともに大谷が放つ本塁打の大きな魅力だ。
また、ユニフォーム姿を目にすれば、腰の位置が米国人や中南米選手よりも高いことにも気づかされる。女性ファンはその格好良さにうっとりとなるが、その長い足を支える股関節の使い方が抜群に上手い。その大谷の打撃技術に感嘆したのが昨季MVP、ア・リーグ最多の62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ヤンキース)だった。
「僕は彼の下半身の使い方が好きだ。彼のようにトゥ・タップ(右足のつま先でタイミングをとる)を僕も試したいんだ。彼は両足を地面につけた状態で股関節をとても上手に使う。彼のようなトゥ・タップが理想。僕には(習得に)あと2、3年かかりそうだ」
股関節は投打においてパワーを生む源となる。ジャッジまでも羨むその卓越した大谷の強度と技術。日本人打者でありながら、メジャーで本塁打王に輝いたことは必然だったのかもしれない。