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レーシングDNA健在! 75年目の創立記念日にホンダPUが秋開催最後の鈴鹿でタイトル獲得《角田裕毅は残留発表》
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2023/09/26 11:06
フェルスタッペンはポール・トゥ・ウインで今季13勝目を挙げ、レッドブルはホンダの聖地でコンストラクターズタイトルを獲得した
75年前の1948年9月24日は、本田宗一郎が自らの会社を創立した日だった。ホンダにとってF1は創業者の夢であり、大切なDNAの一つだった。さらに本田宗一郎は日本のモータースポーツの発展のためには本格的な常設サーキットが必要と考え、建設されたのがこの鈴鹿サーキットだった。ホンダにとって、鈴鹿サーキットで開催されるF1は特別な儀式なのである。
この日、サーキットにはホンダの三部敏宏社長が訪れ、F1に感謝していた。
「レース活動はわれわれのDNA。26年から正式に復帰しますので、こういう活動は続けていきたいと思います」
そのホンダのスタッフたちが見守る前で、レースを制したのは、そのホンダを尊敬し、鈴鹿サーキットを愛するレッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。この優勝でレッドブルが23年シーズンのコンストラクターズチャンピオンに輝いた。今シーズンのレッドブルの正式なコンストラクター名は「レッドブルレーシング・ホンダRBPT」。「ホンダ」の名がコンストラクターズチャンピオンとして刻まれるのは91年の「マクラーレン・ホンダ」以来、32年ぶりとなった。
メモリアルな勝利
三部社長は、こう言ってパートナーを組んでいるレッドブルへ感謝した。
「ホンダの地元、鈴鹿サーキットで年間タイトルを獲得してくれたことを大変うれしく思います」
そのホンダへレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこんな賛辞を贈った。
「ホンダの素晴らしいパワーユニットがなければ、この栄光を勝ち取ることはできなかった。ホンダの地元である鈴鹿で彼らの創立記念日にタイトルを獲得できたことはわれわれにとっても喜ばしい限りだ」
その9月24日、鈴鹿サーキットは10万1000人ものファンが詰めかけた。決勝日に10万人以上の観客が来場したのは12年以来、11年ぶりのことだった。そのファンに鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドの斎藤毅社長は、感謝を述べた。
「今年は木曜のイベント開催も復活させることができ、外国人のお客様も含め、期間を通して多くのお客様にお越しいただけたことをうれしく思います」
秋開催の日本GPは今年で一旦、幕を閉じる。来年から日本GPは春開催。新しい日本GPも感謝されるグランプリに育ってほしい。