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レーシングDNA健在! 75年目の創立記念日にホンダPUが秋開催最後の鈴鹿でタイトル獲得《角田裕毅は残留発表》
posted2023/09/26 11:06
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images / Red Bull Content Pool
さまざまな場所で多くの人たちが、それぞれに向かって感謝していた。
9月23日、午前9時。アルファタウリが2024年のドライバーラインアップを発表した。ダニエル・リカルドとともに24年もアルファタウリからF1に参戦することとなったのが、現在日本人でただひとりF1に参戦している角田裕毅だった。
その直後、F1が粋な図らいを行った。当初の予定では、角田はアルファタウリのピットガレージ前で、グランドスタンドにいるファンに向かって残留の報告を行う予定だった。F1グランプリが行われている週末のサーキット内でのイベントは、すべてF1が取り仕切っているため、角田のマネージャーのマリオ宮川がF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリに承諾を取りに出向くと、ドメニカリからこんな逆提案をされたという。
「ピットガレージ前じゃ、スタンドのファンからほとんど見えない。表彰台を使いなさい」
こうして角田はF1史上で初めて、表彰台からファンに向かって自らの声で残留の報告を行うことになった。
「日本人のファンの方々の前で発表できたことに感謝しています。そして、もちろんレッドブルとホンダにも感謝です。彼らのおかげでいま、自分はこの場に立つことができているからです」
特別な鈴鹿
報告会が行われた午後の予選では、素晴らしいアタックで9番手を獲得。日曜日のレースでは2012年の小林可夢偉以来の日本人ドライバーの母国グランプリでの入賞も期待されたが、スタート直後の混乱でポジションを失った角田は、その後タイヤ戦略でライバルに競り負け、12位に終わった。それでも、角田はこう語った。
「レース内容は楽しめませんでしたけど、とにかく鈴鹿は楽しめました。やはり特別です。今年も皆さんからエネルギーを頂きました。あの歓声は永遠に忘れることはないです」
今年の日本GPが行われた9月24日は、ホンダにとっても忘れられない一日となった。