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「ラグビーとスクラムは別競技」の声も…《W杯イングランド戦》敗れてもなお“収穫アリ”日本代表チームが自信を深めた「ある理由」
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byAFLO
posted2023/09/21 17:03
フォワード陣は並々ならぬ思いで挑んだというW杯イングランド戦のスクラム。最前列は右から稲垣、堀江、具
スクラムの成功率は日本が85.7%(7回中1回失敗)、イングランドが81.8%(11回中2回失敗)だった。
ただしジョージア出身のニカ・アマシュケリレフリーは、ラスト20分で2回、日本側のペナルティを取り、それが2本の失トライの誘因になった。レフリーが変われば判定が変わりそうな崩れ方でもあったが、結果は結果だ。1試合トータルでの一貫性には課題が残った。
しかし試合後、桜の戦士たちはむしろ自信を深めたようだった。
イングランド戦の戦果を問われたFLリーチは「やっぱりスクラムですね」と即答した。
「バインドの掛け合いなどで、日本が苦しくなった場面もありましたが、対策はできていました」
サモア戦でもスクラムがカギに…?
1勝1敗となった日本の次なる相手はサモア代表。22-24で惜敗した7月の前回対戦で、日本はスクラムでプレッシャーを受けていたが――。
「スクラムはイングランド相手によく出来ました。次のサモアもスクラムは強いですが、しっかり対策すれば良い勝負ができると思います」(FLリーチ)
「ラグビーとスクラムは別競技」と言うFW第1列の選手もいる。体感的にそれだけの隔たりがあるのだろう。だとすれば今後『日本ラグビー史』とは別に『日本スクラム史』を編纂する必要があるかもしれない。
その『日本スクラム史』の23年9月18日のページには是非、記してほしい。
W杯イングランド戦で、日本のスクラムは強かった。日本製のスクラムは、技術と研鑽の力を示した。スクラムに人生を懸ける男たちは存分にやり返した――と。