ただ、現在のチームは問題ないだろう。山中自身も長い間、厳しい合宿を共にしてきた。早速、流（大）がSNSで「早くこいよ」といじっていた。（中村）亮土は山ちゃんとルームメイトだっただけに喜びを感じていると思う。関係性が出来上がっているので、すぐにプラスをもたらしてくれるはずだ。

追加招集を受けて「第2章がまだ終わってなかったな」とSNSに投稿した山中。昨年、強豪フランス相手に2トライを奪った時のようなガッツポーズがまた見られるだろうか　©︎Kiichi Matsumoto

　サモア戦の起用は首脳陣次第だが、可能性はゼロではない。マツや好調のレメキ（・ロマノ・ラヴァ）をFBで起用するプランはもちろん、イングランド戦で途中出場したディラン・ライリーやフル出場した長田智希もWTBでプレーできる。まだ出番のないシオサイア・フィフィタや小倉順平らバックスリーの組み合わせは豊富だ。山中がリザーブに加わって試合を締める働きを求められることだって十分にある。

　何はともあれ、山中のような新しい力も含めた“すべて”をサモア戦に注ぎ込んでほしい。負ければ終わり。プール最終戦のアルゼンチン戦のことは今は考えなくていい。決勝トーナメントが始まったぐらいの気持ちで臨むべきだろう。全員で勝利を掴む。そのピッチに、キング・カズを彷彿とさせる金髪をなびかせた山ちゃんがいたら最高だ。