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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「トイメン殺して俺も死ぬ!」東大ラグビー部の“狂気”…明治、早稲田に100点差で負け続けた男たちは、なぜ最後に笑ったのか?
posted2026/11/04 11:01
青春時代を過ごした東大ラグビー部のグラウンドで撮影に応じるブラインドラグビー日本代表ヘッドコーチの村田祐造(51歳)
text by

山川徹Toru Yamakawa
photograph by
Keiji Ishikawa
両手を筒状に握り、10円玉ほどの穴をつくる。そして、双眼鏡を構えるように、穴を覗く。視野が一気に狭まった。
ブラインドラグビー日本代表監督の村田祐造は、ゲームをはじめて見学した日、選手のひとりにこう言われた。
「手をこう握って、覗いてみてください。これが、ぼくの視野です」
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村田は、あまりの視野の狭さに驚いた。これでは怖くて全力疾走なんてできない。これしか見えていないのに、選手たちは走り回り、パスをつないでいたのか。すげえ、と。
ブラインドラグビーは、1チーム7人でトライを奪い合う競技である。通常のラグビーでタックルにあたるのが、タッチだ。6回のタッチで、アタックする権利が相手に移る。
プレーヤーは、みな視覚に障害がある。日本に紹介されたのは、2018年。国内の競技人口は約20人。歴史も浅く、いまだ黎明期にある。
東京大学や三洋電機(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)でラグビーをプレーした村田にとっても、ブラインドラグビーは未知のスポーツだった。だが、ブラインドラグビーに接したいま、こんな考えに至った。
「ふつうのラグビーでも、ブラインドラグビーでも、ラグビーの原理原則は変わりません。ラグビーは、ゴーフォワード――ゴールに向かって前進するスポーツです。それは、挑戦を意味します。ただし相手はディフェンスして前進を阻もうとする。相手をかわすためにはパスをしなければなりません。しかしラグビーでは後ろにしかパスが出せない。背後は見えないので、パスを出す側も受け取る側も、互いに配慮しなければなりません。とくに視覚に障害のある選手たちがプレーするブラインドラグビーでは、より密なコミュニケーションと配慮が必要になる。ラグビーは挑戦と配慮のスポーツなんですよ」
東大出身の異色ラガーマン
村田は異色のキャリアを持つラガーマンだ。
東大ラグビー部時代は、明治大学や早稲田大学に挑み続けたが、まったく歯が立たなかった。東大大学院工学研究科に進むも中退し、東大出身の選手としてはじめて三洋電機ラグビー部に入部。2003年のラグビーW杯では、現役選手でありながら、日本代表の分析担当コーチをつとめた。
引退後のコーチングは、ラグビーの枠を超えていく。三洋電機バドミントン部や早稲田大ヨット部も指導。さらには、コンサルタントとして、タグラグビー(タックルの代わりに腰のタグを取る競技)を通し、企業や組織の活性化を促す研修を行っている。そして今年6月、ブラインドラグビー日本代表の監督に就任した。


