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「やったれ、金髪の山ちゃん」ラグビー日本代表追加招集「山中亮平のキック」はサモア対策になるか…“無念の負傷”マシレワの輝きとは? 

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大西将太郎

大西将太郎Shotaro Oonishi

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photograph bySankei Shimbun

posted2023/09/20 11:07

「やったれ、金髪の山ちゃん」ラグビー日本代表追加招集「山中亮平のキック」はサモア対策になるか…“無念の負傷”マシレワの輝きとは?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

早速フランス入りしてチームに合流した山中亮平(35歳)。W杯メンバー落選後に髪の毛を金色に染め上げていた

 確かにイングランド戦では開始早々にボールを落とすミスをして、その後すぐに負傷退場してしまった。ただ、あの試合こそ、セミシが光るゲームだったかもしれない。我慢の時間帯が続く中で、マツ(松島幸太朗)がラインブレイクするシーンがあった。あのような場面をもっと生み出せたかもしれないし、そもそもあのマツの横をセミシが並走していたかもしれない。80分で必ず一度は光る選手だからこそ、選考に入った。

 皆さんもリスペクトの気持ちをセミシに送ってほしい。これまでの努力、そして日本のために身体を張ってくれたことを感謝している。

 セミシがランで状況を変えられるなら、山中のそれは左足のキックだ。ロングキックで陣地を挽回できる。ピンチを救う、ピンチをチャンスに変える――難しい状況を打破するという意味では両者、似ているのかもしれない。

 セミシとは異なる期待を考えると、ハイボールの処理だろう。イングランドFBフレディー・スチュワードは日本戦でのキックへのアプローチをほぼパーフェクトにこなした。エディー・ジョーンズが見出した22歳は、196cmと長身で、ハイボールへの対応に優れる。ボールの落下地点に果敢に飛び込むタイミングも申し分ない。まるで日本戦のために育てられてきたのではないかと思いたくなるほど、大型選手の強みをしっかりと出された。やはりFBはサイズが必要。現在、起用されている日本のバックスリー(WTB2人とFB)は小柄な選手が多いため、188cmの山中はオプションの1つになる。

 次戦の相手となるサモアが、初陣のチリ戦でキックを多用していたことも山中を呼ぶ要因になったかもしれない。

サモアのスタミナを削るロングキック

 ハイボールへの対応はもちろん、前述の通り、疲労が溜まると綻びが出やすいサモアに山中の左足のキックは有効だろう。背走させる機会を増えれば相手のスタミナを削られていく。また、インプレーが長くなれば長くなるほど穴が生まれやすいサモアにはカウンターアタックを仕掛けたい。キックに加えて、直近の試合で切れ味あるランを披露していた山中は今のジャパンに必要なキャラクターだと思う。

 山中が好調を維持できた背景に、バーバリアンズ(試合やツアーごとに招集された世界の一流選手たちで編成されるイギリスのラグビーユニオンクラブ。愛称はバーバーズ)の存在が大きい。

【次ページ】 山ちゃん好調はバーバリアンズのおかげ?

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