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「イノウエはレナードやタイソンと同格なんだぞ」“中谷潤人の米国人コーチ”が語る井上尚弥30歳「右に回れ!」もし敗者フルトンのセコンドだったら…
posted2023/09/17 17:15
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph by
AFLO
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「PFP1位はイノウエだと思う」
米国で最も権威のあるスポーツ総合誌『スポーツ・イラストレイテッド』が7月末日に発表したパウンド・フォー・パウンドランキングも、8月にCBSやESPNが報じたものも、全て1位がウエルター級4冠統一チャンピオンとなったテレンス・クロフォードで、2位が井上尚弥である。
が、LA在住の名伯楽はこの結果に異を唱える。井上尚弥vsフルトン戦を自宅でTV観戦したというルディ・ヘルナンデスは、開口一番に語った。
「ナオヤ・イノウエは、間違いなく日本ボクシング界から誕生した最強の選手だ。私は今日のパウンド・フォー・パウンド・ナンバーワンも、彼だと思っている。テレンス・クロフォードは2位だよ。色んな意見があるだろうが、クロフォードとエロール・スペンス・ジュニアの統一戦は、開催時期が遅かった。35歳と33歳の対戦だもの……。スペンスのパフォーマンスには、衰えを感じた。
2015年5月2日に行われたフロイド・メイウェザー・ジュニアvs.マニー・パッキャオ戦も5年遅れたカードだった。メイウェザー38歳、パッキャオ36歳で、両者共、下り坂にきていただろう。30歳のイノウエと29歳のフルトンは、全盛期での対戦と言える。そこで、ああいう勝ち方をしたイノウエを私は推したい」
「レナードやタイソンと同格なんだ」
1962年10月27日生まれのルディは、プロボクサーとして17度リングに上がり、14勝(6KO)2敗1分け。最高位はWBCウエルター級11位。引退後、26歳でトレーナーの道を歩み始め、まず担当したのがWBAスーパーフェザー級タイトルを8度、WBC同級王座を3度防衛した実弟のジェナロ・“チカニート”・ヘルナンデスである。
その後も、日本人ファイター……竹原慎二、畑山隆則、伊藤雅雪を含むトップ選手を育成し、現在はWBOスーパーフライ級チャンピオン、中谷潤人との二人三脚を続ける。
ルディはWBC/WBOスーパーバンタム級タイトルマッチを、次のように振り返った。