JリーグPRESSBACK NUMBER
西川周作37歳の宣言「結果を残して、ポイチさんにプレッシャーをかけたい」…進化を続けるベテランGKが“日本代表”を強烈に意識する理由
posted2023/09/18 11:06
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Takashi Shimizu
試合後に行われるミーティングの中身とは?
「あんまり覚えてないんです。本当に90分間、無心でやっているので」
アル・ヒラルを1−0で完封したACL決勝第2戦もそうだったが、試合後、自身のプレーについて質問された西川周作が、こんなふうに答えることが増えた。
淡々と、堂々と。プレーのひとつひとつに落ち着きと自信が感じられる。
スタンドからGKのプレーを詳細に分析することは困難だし、彼らの思考を窺い知ることも難しい。しかし、西川のなかでなにか大きな変化、革命が起きているのは間違いない。
感覚的なものが言語化されることで理解度や納得感が増すというのは、欧州発のメソッドが日本サッカー界にもたらす刺激として、幾たびも語られてきた“類型”だ。
しかし、30代後半を迎えてさらなる成長を望んだ西川周作がミレッGKコーチを支持したのは、その指導の的確さや斬新さだけではなく、彼が提示した「解決方法」という概念への共感だった。
◆◆◆
――ミレッGKコーチの教えは、論理的であると同時に合理的でもある?
「そうですね。結果にも出てきていますし、失点する確率を減らせているという実感がすごくあります。いつも試合の翌日にGKチームで『このプレーはどうだったか』とフィードバックしています。みんなで話し合いながら、問題点を指摘し、解決方法をいっしょに探る。そういう時間があるので、僕だけじゃなくて、ほかの選手も含めて、GKチームとしてレベルアップできているなと感じています」
――過去にもそういうミーティングはあったんですか?
「少なくとも僕は初めての経験ですね。しかも毎試合ですから」
――若手から厳しい意見が出ると耳が痛いのでは?
「ネガティブな感情はまったくないですよ。彼らの言葉から多くの気づきを得られるので。『そういう考え方があるんだ。確かにそういう解決方法があったな』と。あの場は自分にとって貴重ですね」