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不起訴の山川穂高に西武は「無期限出場停止処分」これは一球団の問題ではない…NPBはなぜ動かないのか? “判例”となるバウアーのケース 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2023/09/05 17:02

不起訴の山川穂高に西武は「無期限出場停止処分」これは一球団の問題ではない…NPBはなぜ動かないのか? “判例”となるバウアーのケース<Number Web> photograph by KYODO

強制性交疑惑で不起訴処分が発表された西武・山川穂高に対して、球団は「無期限出場停止」処分を課した

 女性へのハラスメントに対して厳しい態度で臨み、拒絶反応も強いアメリカでは、バウアーに復帰の手を差し伸べる球団はなかった。しかし、日本ではそういう過去を受け入れ、プレーするチャンスを与えることは可能だということだ。山川も同じだろう。ただ、そこで1つ言えるのはバウアーがほぼ2シーズンに渡るMLBの厳しい制裁処分を受けた上での、球界復帰だったということである。

 一方の山川の場合は「無期限」がいつまでなのかは分からない。少なくとも今季中の復帰は難しいと見られているが、それでも約5カ月で100試合程度だ。このオフに無償を含めたトレードで他球団に移籍したケースには、中田のように旧球団からのペナルティーは解除され、来季開幕からの出場も可能になるかもしれない。その出場停止期間が妥当なのか、短すぎるのかは別に、問題なのはこうしたケースで1球団に処分を委ねて、機構が関与しないということである。これだけ世間を揺るがす問題に発展しているにも関わらず、コミッショナー、機構が処分を決めるどころか、コメントすら出すこともなく少なくとも表面的な無関心にやり過ごしてしまっている。

 それが日本球界の現実なのである。

NPBとしても、正式な処分を

「この度は多大なご迷惑をおかけしましたことをおわびいたします。私がプロ野球選手という立場をわきまえずにした行動が招いたものであり深く反省しています。球団から下されました処分内容に関しまして真摯に受け止め、今後は再びチームの役に立てるように地道に練習に励みます」

 処分が発表された山川が球団を通じて発表したコメントだ。

 まだまだ復帰の先行きは不透明である。

 バウアーの前例があるが、バウアーは公的なペナルティーを受けて、それをクリアしての復帰だった。しかし山川は身内の処分だけでしかない。そう考えたら山川が晴れて復帰するためにも、NPBが「調査権がない」と逃げるのではなく球団、本人、被害を訴えた女性等から聞き取りを行い、独自の調査を行う。その上でコミッショナーが機構としての、正式な処分を決めることだ。必要なのはファンや周囲が納得できる、きちんとした山川の復帰への道筋である。そのペナルティーをクリアしてこそ、山川は制度的にも正式に公式戦に復帰できることになるはずである。

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