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落合博満以来のホームラン王へ…ロッテ・ポランコ「ノーパワーだった」原点からの才能開花と“愛されキャラ”を支えるレジェンド左腕の金言
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/09/05 11:02
「パワー」全開のホームランを量産するロッテ・ポランコ
日本語も猛勉強「漢字もカタカナも…」
成功への手助けとなったのは、積極的に日本の文化を知り、溶け込もうという姿勢だ。日本語も必死で覚えようと努力を重ね、プライベートではレストランにも通訳なしで足を運び、極力注文も自力でするようにしている。
「いまではバックスクリーンに書かれている選手名は漢字もカタカナも誰か大体は分かるかな。マネージャーがロッカールームなどでホワイトボードに書いている明日のスケジュールなど内容も分かるよ」。ポランコは嬉しそうに目尻を下げた。
季節は盛夏から秋へと向かう。ペナントレースも佳境だ。優勝マジックを日毎減らしている首位・バファローズの背中は遠いが、マリーンズの選手たちは誰も諦めてはいない。4番に座る頼もしい助っ人がいる。両親譲りの正義感を持ち、謙虚で勉強熱心な男。運命に導かれ、今、千葉の地でチームの勝利のために奮闘している。
落合博満以来のホームラン王へ…
ポランコは今シーズンだけで1試合3本塁打をすでに2度、記録するなど本塁打を量産し現在は、パ・リーグホームランダービートップタイ。もしホームラン王に輝けば、球団では1986年の落合博満以来となるが、本人は意に介していない。
「ホームランの数は関係あらへん。チームの勝利だけを追求してるねん」(サービス精神旺盛なポランコは試合中のメディア向けのコメントではファンを喜ばせるために関西弁にしている)。そう、一番欲しいのはチャンピオンのタイトルだ。ただ、そのためにはこの男が放つ華麗なアーチを増やすことが欠かせない。37年ぶりの快挙と共に、マリーンズの未来もキラキラ光り輝くものとなるはずだ。