甲子園の風BACK NUMBER
“慶応のプリンス”報道は「いじられてます」荒ぶる“WBC大谷翔平ポーズ”にクールな出塁力…「高校野球の常識を覆す」中心に丸田湊斗あり
text by
間淳Jun Aida
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/08/20 06:00
慶応のリードオフマン丸田湊斗。バット、俊足、立ち振る舞いで陸の王者を加速させる
チーム内では、プリンスのイメージは浸透していないという。主将の大村昊澄選手は丸田について「みんなにいじられていますね。多少クールなところはあるかもしれませんが、プリンスという感じは……」と表情を崩す。
そして、こう続けた。
「試合の流れを読むのが上手い選手だと思っています。どんな形で出塁するのか、長打が必要な場面なのかなど、常に自分が求められている役割を考えてベストを尽くす選手です」
注目されたりするのは肯定的に捉えています
慶応が夏の甲子園でベスト4に入るのは103年ぶりとなった。強さに加えて、脱丸刈りをはじめとする選手の自主性を尊重するチームカラーは、勝ち上がるごとに注目を高めている。その象徴とも言える丸田は言う。
「歴史をつくれたことはうれしいですが、日本一が目標というところは変わりません。日本一になるための一戦、過程でしかありません。チームとしては日本一の他にも、高校野球の常識を覆すことを目標にしているので、自分たちのスタイルが話題になったり、注目されたりするのは肯定的に捉えています」
慶応には日本一という大目標に加えて、「サブタイトル」がある。「高校野球の常識を覆す」。丸刈りにしなくても、監督を「さん付け」で呼んでも、全国の頂点に立てる。慶応は選手を管理するイメージが強い高校野球に風穴を開けようとしている。
その中心に丸田がいる。
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