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「ドゥンガは口うるさいから敬遠してたんだ(笑)」ブラジル名SBジョルジーニョの夢は「日本代表監督としてW杯優勝」とアツく語る理由
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2023/08/13 11:02
鹿島アントラーズ監督時代のジョルジーニョ
「ブラジルでは大部分のクラブが長期的な展望を持っておらず、腰を落ち着けて仕事をするのが難しい。今年に入ってからも、複数のクラブからオファーをもらった。しかし、プロジェクトの内容に賛同できなかったといった理由から、すべて断った」
――指導者としての仕事以外にも、あなたは熱心に慈善活動を行なうことでも知られています。
「2000年、自分が10歳からの数年間を過ごしたリオのグアルダルーペ地区で、かつて私の恩人カターニャが運営していたグラウンドを買い取って『インスチトゥート・ボーラ・パラ・フレンチ』(『ボールを前へ』基金)を創設した。恵まれない家庭の青少年数百人にスポーツを楽しむ機会を提供したり、勉強の手助けや職業訓練をしている」
Jの動向も見ている。ダイキが頑張っているね
――その最大の目的は?
「厳しい環境で生まれ育ち、悪の道に入りかねない境遇に置かれた青少年を立派な社会人に育てること。フットボールの才能がある子はプロクラブのアカデミー関係者に紹介することもあるが、プロ選手を育てることを目指しているわけではない」
――この活動は、あなたにとってどのようなものですか?
「ア・メニーナ・ドス・メウス・オーリョス(直訳すれば「私の両目の中の女の子」)。わかるかな? これだよ(と言いながら、瞳を指差した)」
――何よりも大切なもの、という意味でしょうか?
「その通りだ。23年前から自分が心血を注いできており、家族、フットボールと並んで私が人生で最も大切にしているものだ」
――最近のJリーグの動向は追っていますか?
「できるだけ試合を見ており、情報も逐一、追っている」
――現在の鹿島をどう思いますか?
「2012年の監督時代に私の選手だったダイキ(岩政大樹)が頑張っているね。彼は非常に勉強熱心で、選手時代からリーダーシップがあった。これから順位を上げることを期待している」
――鹿島では、あなたが背番号2を付けて以降、名良橋、内田篤人と日本代表でも活躍した右SBが同じ番号を付けるのが伝統となっています。ただし、現在、この番号を付けている安西幸輝は主として左SBとしてプレーしています。
「私は、この背番号に限りない愛着を持っている。ナラハシもウチダも、素晴らしい選手だった。これからも、優れた選手にこの番号を担ってもらって、チームのタイトル獲得に貢献してほしい」
いつか日本代表を率いてW杯で優勝するのが夢だ
――日本代表については、どう考えていますか?