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誹謗中傷に「走るの楽しんじゃいけないのかな」…区間16位で駅伝V逸、積水化学・森智香子が直面した“世界中が敵”という恐怖「黙らせるには…」
posted2023/08/13 17:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
積水化学には「門限がない」
大東文化大を卒業し、積水化学への入社を決めた森智香子は、寮に入った。
高校、大学と寮生活を送ってきたので、寮への違和感はなかったが、実業団では相部屋ではなく、一人部屋になった。
寮則は、女子寮の場合、厳しいことが多いが、積水化学はほとんどなかった。
「女子チームとしては、珍しいと思うんですけど、門限がないんです。初めて見学に来た時も先輩に『うちのいいところは門限がないところと食事がおいしいところだよ』と言われて、確かにそれは魅力的だなと思いましたね(笑)」
門限がないのは野口英盛監督の選手への信頼とともに、制限を加えるよりも自分で考えて行動するよう自主性を重んじているからだ。平日に門限があっても次の日は練習があるので、夜遅くまで外出する選手はほとんどいない。休みの日に少し遅い時間になるというレベルなので、それは許容範囲内であれこれ言うほどのものではない。
監督は食事も特別な制限はしない
「食事は、いろんなチームから美味しそうと言われますね。合宿先もちゃんと美味しいものを出してくれる場所を選んでくれています。女子だと、食事面であれこれ指示されたり、体重制限とかで十分に食べられないこともあると思うんですけど、うちの監督はそういう制限はせず、しっかりと食べてほしいという方針なので、そこは積水化学を選んでよかったことのひとつです」
女子は、チームによって体重の増減はもちろん、ご飯の量やドレッシングまで厳しくチェックするところもある。
基本的に積水化学は、チームの方針としては選手の自主性に委ねる“放牧タイプ”なのだろう。ただ、自己管理が伝統的に徹底され、新谷仁美のような猛烈にストイックな選手がいることで選手の意識も高い。
監督と恋バナとか普通にしています(笑)
恋愛についても自由で、オープンだ。