壮絶な流血戦も…『5★STAR GP』は波乱の幕開けに

　ジュリアと安納サオリによるセミファイナルも壮絶だった。安納がジュリアをスープレックスで場外に投げ捨てると、意地の張り合いは客席に互いを投げ飛ばす執拗な場外戦へと発展した。

　安納は側頭部から流血。右頬を血が伝った。安納は机上のパイルドライバーまで食らい、目はうつろだった。それでも、ジュリアには負けられないという気持ちが安納にはあった。本人たちにしかわからない長年の確執。そんな人間ドラマを引きずって2人は戦う。雪崩式のブレーンバスターやバックドロップにも、安納は耐えた。

壮絶な戦いとなった安納サオリ（左）とジュリアによるセミファイナル

　ジュリアのグロリアスドライバーはほんの少し遅かった。15分、時間切れによる引き分け。リングには互いのふてぶてしさと意地が交錯していた。2連覇をもくろむジュリアはもちろん、初優勝を狙う安納も面白い。

　もう1人、悔しさをにじませた女がいた。頭頂部をカットした新戦闘マスクで『5★STAR GP』に挑むスターライト・キッドにも、強い意気込みが感じられた。

新たな戦闘マスクを装着して『5★STAR GP』に臨んだスターライト・キッド

　だが、キッドの「全勝優勝宣言」は第1戦でなつぽいに否定されてしまった。「極悪」を封印して真っ向勝負を宣言したキッドが、「私と似たようなタイプ」と形容するなつぽい。安納との革ひもマッチも切り抜けた“妖精”は、キッドのエターナルフォーにも屈しなかった。

　キッドの意気込みに反して、3カウントを奪ったのはなつぽいだった。キッドの技のキレはいい。だが、「極悪」封印という足かせが響いたのだろうか。悔しさにまみれたキッドは、このダメージを巻き返せるか。

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