スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
「まるで鎧」撮影カメラマンの衝撃…井上尚弥の“究極の肉体”はいかに生まれた? フルトンを倒し切った筋肉の秘密「ボコッ、ボコッという感じ」
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/07/26 11:01
7月25日に行われたフルトン戦に勝利し、大観衆に向けてガッツポーズを作った井上尚弥
井上本人も言及した「エグすぎる背筋」秘話
〈名言2〉
井上選手の“筋肉の表情”を撮りたかった。
(杉山拓也・Numberカメラマン/NumberWeb 2022年7月12日公開)
https://number.bunshun.jp/articles/-/853870
◇解説◇
井上尚弥の肉体の進化は、撮影者も痛感していた。長年『Number』で撮影を担当してきた杉山カメラマンには、昨年6月のドネア戦後に話題を集めた一枚がある。それは第2ラウンド、井上がドネアを攻め立て、フィニッシュへとつながった場面を収めたものだ。
驚くべきは、ダイヤモンドのようにクッキリと浮き出た“背筋”。この写真は井上尚弥本人がTwitterで紹介し、大きな反響を呼んだ。ツイートには、こんな言葉が添えられていた。
「あれだけ必死こいてトレーニングしたんだもんな。。背筋も喜んでるわ。」
カメラマンの証言「力が入っている時の“筋肉の表情”が…」
2019年の試合前の公開練習など、試合以外も撮影してきた杉山は、撮影者だからこその視点で井上の肉体をこう評する。
「カメラ越しに目を奪われたのが胸筋から脇腹、そして腹筋の筋肉でした。見たことないような筋が撮れたので、『これ撮らないで何を撮るんだ』って思ったんですよね。その筋肉の凹凸がしっかり目に見えるのがパンチを放った時。力が入っている時の“筋肉の表情”がすごいよかった。その瞬間に浮かび上がる筋肉、これを写真で表現したい。そんな意識を持ちながら、井上選手を撮るようになりました」
驚異の肉体は、見る者を、そして撮影者をも魅了している。