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14歳の島田麻央は“レディー・ガガ”で勝負「前半は少しにらむ感じ…後半は笑顔へ」フィギュア世界ジュニア女王が掲げる驚異的な目標とは
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO
posted2023/07/20 17:00
「ドリーム・オン・アイス」での島田麻央。今季のショートプログラムはレディ・ガガの曲で臨む
「すこし睨んでいる顔と、楽しそうに踊っている顔を練習しています。自分は表現力をつけるのが苦手だったので最初は難しかったんですが……だんだん出来てきたんじゃないかなと思います」
演技の前半は『睨む感じ』、後半は『笑顔』と変化させる。
「表情をしっかり変えることを意識しています。ジャンプ2つとレイバックスピンが終わるまでは笑わずに、睨む感じ。怖い表情を際立たせるためには笑顔も必要なので、レイバックスピンが終わってからは、思い切り笑顔で楽しく演技できたらいいなと思います」
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演技後半は、上半身を左右に大きく揺らすシーンなど、オフバランスの難しい動きが詰め込まれている。しかもテンポが早い。かなり上級の滑りが要求される場面だが、笑顔を崩さずに演じ抜く。それには島田の体幹の強さが生かされている。
「ステップのあたりは、歌詞にもあるように『誰にも自分は捕まえられないよ』という場面なので、楽しい感じで滑ります。上半身の動きが多くて、すごく気に入っている振り付けなので、そのぶん自分がちゃんと表現しないと良く見えないだろうな、と思います。頑張りたいです」
衣装は、白いフリルのブラウスに、黒地に赤いリボンのパンツスタイル。歌詞の『5月を思わせる甘い花柄のショートパンツをはいた女の子』というイメージを落とし込んだものだ。
「振付師さんがズボンのほうが良いよ、ということだったのでパンツスタイルの衣装にしました」
そして、島田が掲げるもう1つの今季の目標が、「トリプルアクセルと4回転」。これが驚異的だった。強化合宿はまだ7月上旬ということもあり、ほとんどの選手がジャンプは「調整中」の時期。ところが島田は、トリプルアクセルはすでに絶好調で、4回転トウループの練習にも着手していたのだ。
トリプルアクセルを何度も成功
合宿の1週間前に行われたアイスショー『ドリーム・オン・アイス』の初日では、島田は「今日はプログラムをしっかり表現することが目標」と言い、「ダブルアクセル、3回転フリップ+3回転トウループ、3回転ルッツ」というジャンプ構成だった。それを本番できっちり決めて見せた時は、こう話した。