テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「オオタニ、シアトルに来て!」反応に困ったけど…大谷翔平“TVに映らない”球宴での人気者ぶり「ゲンキデスカ? バットニ、サイン…」

posted2023/07/14 17:21

 
「オオタニ、シアトルに来て!」反応に困ったけど…大谷翔平“TVに映らない”球宴での人気者ぶり「ゲンキデスカ? バットニ、サイン…」<Number Web> photograph by Sipa USA/JIJI PRESS

オールスターに出場した大谷翔平は、出塁してフリーマンと談笑する。テレビで映らないところでも、やっぱり人気者だった

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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 メジャーリーグを席巻する大谷翔平。日本ハム時代から長年にわたって取材する番記者が見た“テレビ中継には映らないショー・タイム”をお届けします!

 バックネット裏の記者席から左翼席へ走った。オールスター戦前日のア・リーグの全体練習。ルーティンの「壁当て」を終えたエンゼルスの大谷が左翼後方のブルペンに向かうと、左翼席のコンコースに二重、三重の列を作っていたファンから割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こった。

 マリナーズの本拠地Tモバイル・パークでの開催とあって、ファンの大半はマリナーズのユニホームを着用。それにも関わらず、同地区のライバルのスター選手でもある大谷がこれだけ歓声を集めたことに改めて驚いた。

オールスターでの投手調整中、ファンがスマホを掲げ…

 大谷はオールスター戦の3日後の7月14日(日本時間15日)の本拠地アストロズ戦の先発登板予定で、この日は投手調整に専念。柵越えを連発して大観衆を沸かせた昨夏のオールスター戦でのフリー打撃も盛り上がったが、観客席から数メートル先で見られる大谷の投球練習も貴重。それぞれがスマートフォンのカメラを掲げ、列の後ろにいたため、なかなか大谷の姿が見えないほどだった。動画を撮影するファンもいれば、連写で写真を撮り続けるファンもいた。すさまじい熱気。これほど注目されたブルペン投球はなかなかお目にかかれない。

 珍しい場面でもあった。

 前年度ワールドシリーズ覇者でア・リーグのコーチを務めるアストロズのジョシュア・ミラー投手コーチが大谷の背後から投球を見守り、同じくアストロズのマイケル・コリンズ・コーチが捕手役を務めた。後半戦開幕戦の相手でもある。仕方のないこととはいえ、大谷にやりづらさは全く見えない。笑顔で会話を交わし、むしろ楽しんでいるようにさえ見えた。

投球練習に見た試行錯誤と「シアトルに来て!」

 大谷の試行錯誤も垣間見えた。

 これまで基本的にプレートの一塁側を踏んでから投げていたが、この時はプレートの真ん中を踏んで投げていた。一般的にプレートの真ん中を踏むことで、制球の安定や、大谷のように左右両方に曲がる変化球を投げる投手にとっては有効とされる。前半戦は曲がり幅の大きいスライダーの総称スイーパーを軸に強打者たちを圧倒したが、徐々にそのスイーパーを打ち込まれる場面も目立った。

【次ページ】 日本人通訳に習った日本語で「バットニ、サイン…」

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