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<“元人気芸人”からのアドバイスも…>「相撲」も「演技」も素人のスポーツ選手が『サンクチュアリ』でライバル力士を演じられた“意外な秘密”
 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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photograph byNetflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」

posted2023/07/21 17:01

<“元人気芸人”からのアドバイスも…>「相撲」も「演技」も素人のスポーツ選手が『サンクチュアリ』でライバル力士を演じられた“意外な秘密”<Number Web> photograph by Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」

岩元が演じたのは猿桜のライバル力士のひとりである馬狩。特徴的なモミアゲがトレードマーク

配信開始後の反応は……? 

 そうして岩元の諸々の撮影が終わるころには、すでに年が明け、2022年になっていた。

『サンクチュアリ』の配信開始は今年5月なので、撮影後の編集作業には1年以上の期間がかかったことになる。そして、それだけの雌伏の期間を経ただけあって、配信がはじまるとその影響力は想像以上だった。

 日本のNetflix「今日のシリーズTOP10」では配信直後から1位を獲得。海外でも複数の国や地域の「今日のシリーズ」でTOP10入りし、公開2週目には「週間グローバルTOP10」で6位まで浮上する人気作となった。

「SNSとかでも海外からの反響は大きいですね。ジムで筋トレしてたら知らないモンゴル人から声をかけられたりして、本当に世界中で見られているんだなと思いました」

 そして何よりうれしかったのは、作品から岩元の存在を知り「本職のアメフトも見てみたい」という声が届いたことだった。

「やっぱり自分がこれまで打ち込んできたアメフトを見に来る“きっかけ”になれたのはとても嬉しいですね。特にアマチュアスポーツは、競技力の向上=人気の向上にはならないことがほとんどだと思うんです。まずは知名度を上げて、少しでも多くの人に知ってもらうこと。それができないと、競技の未来もないと思っています。

 そのためにこの『サンクチュアリ』を見たことでアメフトに良い影響がでてくれればうれしいし、自分もまた他にもそういうチャンスがあれば腹をくくってやっていきたいとも思います」

 蛇足にはなるが、もちろんそれはアメフトで結果を出さなくていいということではない。あくまで両輪が揃ってこそ意味がある。だからこそ、岩元は撮影が終わった今季も“稽古”を“トレーニング”に置き替えて、日本一を目指して鍛錬を積んでいる。

 9月10日(日)には今季のotonari福岡SUNSの秋シーズンが開幕する。

 そこで岩元は果たしてどんなプレーをみせてくれるだろうか? ちなみに2年間の”聖域”での稽古を経て、フットボール選手としても能力は格段に上がったそうである。

岩元 駿介(いわもと・しゅんすけ)

1993年2月10日、福岡県北九州市出身。小学校から高校までの12年間は柔道部に所属し、中央大学進学と同時にアメリカンフットボールのキャリアをスタートした。大学卒業後は九州の銀行に勤務しながら、社会人アメリカンフットボールチーム「otonari福岡SUNS」でプレー。現在は不動産会社の代表を務める。Netflixのオリジナルドラマ「サンクチュアリ -聖域-」の馬狩役で役者デビュー。186cm、160kg

#1から読む
「単純なぶつかり合いなら…」『サンクチュアリ』撮影参加の一流アメフト選手に聞いてみた「相撲とアメフト、どっちが強い?」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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