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大谷翔平に「僕らはみんな敬意を払っている」“オオタニの大ファン”を公言するライバルたちとの愛され交遊録「なんて素晴らしい才能の持ち主だ」 

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福島良一

福島良一Fukushima Yoshikazu

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/07/01 11:01

大谷翔平に「僕らはみんな敬意を払っている」“オオタニの大ファン”を公言するライバルたちとの愛され交遊録「なんて素晴らしい才能の持ち主だ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

メジャーリーグ屈指の名投手たちからも賞賛される大谷翔平

“ヤンキースのエース右腕”と投打の真剣勝負

 もちろん両者の対決は迫力満点。バッター大谷さんの過去の対戦成績は20打数4安打の打率2割、ホームラン1本、3打点。ここまではコールが比較的、大谷さんを抑えこんでいます。2021年までは17打数3安打で長打は1本。コールの攻略には時間がかかっていましたが、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジと熾烈なMVP争いを繰り広げていた2022年8月31日、大谷さんは2点を追う6回にコールから逆転3ランを放ち、日本人初となる2年連続の大台30号に到達しました。初対戦から5年目、ようやくライバル投手からホームランを放ち、節目の記録を飾ったのです。打者としての対決はもちろんですが、まだ実現していない初の投げ合いとなれば、ヤンキースのエース右腕との投打の真剣勝負に目が離せません。

 実はコールはエンゼルスの本拠地アナハイムから車で20分ほどのニューポートビーチ出身で、アナハイム近郊の高校に通っていました。故郷に近い球団だったこともあり、2019年オフにFAとなった際にはエンゼルスも移籍先の候補に挙がっていましたが、結局、9年総額3億2400万ドル(当時のレートで約356億円)で、子どもの頃からファンだったヤンキースと合意しました。投手ではFA史上最高額となる超大型契約を、敏腕代理人で有名なスコット・ボラス氏がまとめました。

 ちなみに、2023年シーズンが始まる前の時点で、FA選手のMLB史上最高額は、大谷さんの同僚マイク・トラウトの12年総額4億2650万ドル(当時のレートで約469億円)です。大谷さんは2023年のオフにFAとなり、史上最高額を更新する破格の大型契約になると予想されていますから、コールとの対決は、年俸でも世界トップレベルのプレミアムな戦いとなりそうです。

最強右腕バーランダー「僕らはみんな、敬意を払っている」

 もう1人、大谷さんが衝撃を受けたMLB屈指の投手と言えば、2022年に3度目のサイ・ヤング賞を獲得したジャスティン・バーランダー(メッツ)です。2022年までアストロズに在籍していたため、同じア・リーグ西地区で過去5年間、バッター大谷さんとは名勝負を繰り広げ、互いにしのぎを削ってきました。

 2018年、同投手との初対戦で大谷さんは4打席連続の空振り三振で完敗。コテンパンにされました。同年のシーズン後、大谷さんが「最も印象に残った投手」としてバーランダーを挙げ、その驚きをこう語っています。

「トータルしてすごく完成されている投手だと感じました。ここまで品のある球というか、スピードもそうですけど、なかなか経験したことがない。直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ、そのオーソドックスな球種がどの投手よりも、1ランク、2ランク、高い」

 一方、バーランダーも、二刀流のパフォーマンスに最大限の賛辞を送っています。

「彼は特別な才能を持っている。多くの選手が彼のプレーを見たいと思っているし、打者としても、投手としても、ここまでベーブ・ルース以来のことをやり遂げている。僕らはみんな、それに敬意を払っている」

【次ページ】 バーランダー弟の部屋には“大量の大谷グッズ”が

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