バレーボールPRESSBACK NUMBER
「昔はアイドルのコラボTが人気だったが」石川祐希、西田有志、髙橋藍…男子バレー“背番号Tシャツ”売り上げも絶好調? 実は即完な“あの選手”
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byAFLO SPORT
posted2023/06/22 17:00
ネーションズリーグで無傷の6連勝中の日本代表(写真は髙橋、石川、西田)。名古屋ラウンドでは観客を魅了する“世界レベル”のバレーボールを展開した
2012年ロンドン五輪を逃した翌年の日本代表発足会見にいたっては出席した選手よりも、集まるメディアのほうが少なかった。会見後の個別取材時で選手に「なんか、すみません」と謝られた。
ただ、そこで強く印象に残るのは、選手たちが試合に向けた抱負よりも「どうしたら男子バレーが盛り上がるか」という危機感を口にしていたこと。「結果を出すことはもちろんだけれど、どうすれば自分たちのことを知ってもらえるか」。SNSもない時代から、先人たちは策を練り、国際大会のチケットの売れ行きが悪かった時には状況を打破すべく選手たちが率先して手売りした。
あれから10年。振り返ったら、ずいぶん昔のように思えるが、当時も今も変わらないのは選手たち自身が「もっとたくさんの人たちにバレーボールの面白さを知ってほしい」と動き続けてきたこと。それが応援Tシャツの着用率の高さにつながっている。
ネーションズリーグが終われば、今秋にはパリ五輪に向けた最終予選が行われる。応援Tシャツを着た満員の観衆が、会場となる代々木第一体育館を埋め尽くす。
小さく灯してきた火が、大きな熱となってコートを赤く染める。
そんな予感も決して夢物語ではないはずだ。
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