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女子卓球の選考レースは独走状態…東京五輪で“補欠だった”早田ひな(22歳)はいかに覚醒したのか? コーチが明かす「不器用だけど我慢強い」素顔
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJIJI PRESS
posted2023/06/17 06:00
世界卓球・女子シングルス準決勝で世界ランク1位の中国人選手と対戦する早田ひな
アクシデントがなければ、シングルス代表入りは堅い
サポートメンバーとして日本チームの活躍を全力で支えた東京五輪を終えた後は、パリ五輪の頂点を目指し、さらに強化を進めた。21年10月のアジア選手権で団体、女子シングルス、混合ダブルスの3冠を達成。22年3月に始まったパリ五輪代表選考レースでもスタートダッシュに成功し、選考レース対象大会である今年1月の全日本選手権では19年の伊藤以来となる女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3冠を飾った。サウスポーから繰り出す強烈なドライブは今なお磨きがかかっており、攻撃の組み立てでも幅も広げている。
パリ五輪に向けては今後よほどのアクシデント的なことがない限り、実力的に早田のシングルス代表入りは堅い。五輪本番では世界ランキング(※6月13日発表)の1位から6位までを占める中国勢にいかに勝つかというところが焦点となる(パリ五輪の女子シングルス出場枠は最大2)。
世界選手権では世界ランキング3位の王に、ファイナルゲームで10ー10から最後21ー19となるまで決着のつかない死闘を演じ、9度のマッチポイントをしのいで勝ちきった。何度もデュースを繰り返す展開に笑顔を見せ、激戦を楽しみながら球を追う姿が実に印象的だった。準決勝の相手の孫とはまだ差があるが、真剣勝負での距離感をつかんだことも必ず生かされるに違いない。
女子シングルスの熾烈な代表争いの行方は?
早田の快挙に沸いた世界選手権だったが、パリ五輪の選考レース全体にも変動があった。女子シングルスベスト16入りで40ポイントを獲得した平野が2位をキープ。ベスト8入りした伊藤が80ポイント獲得で7位から3位へ上げ、4位にベスト16で40ポイント加算した木原美悠となった。
選考レースは6月17、18日の「2023 Tリーグ個人戦」から再開。来年1月の全日本選手権まで熾烈な争いが続いていく。
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