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「大谷翔平って実際どんな人間なの?」現地記者の問いにヌートバーは…“対戦相手にも愛されるショウヘイ”を表す「ふたつのキーワード」
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byGetty Images
posted2023/05/31 17:01
5月30日(日本時間31日)のホワイトソックス戦で今季13号を放った大谷翔平。その人柄を表す「ふたつのキーワード」とは
「彼は野球を愛する大きな少年だわ(笑)」
今や大谷は押しも押されもしないスーパースターになった。いわば「メジャーの顔」だ。
現地のメジャーリーグの放送を見ていると、大谷の顔を見ない日はない。中継の間のコマーシャルには、さわやかな大谷の笑顔を映し出すニューバランスのCMが流れる。
老舗新聞社の米記者の一人は「マイク・トラウトやアーロン・ジャッジだって、その土地のスターという域を出ていないと思う。だけど、大谷は全国区のスターだ」と話す。
5月のボルティモア遠征では、投打同時出場の試合で、二塁打が出ればサイクル安打という4安打の活躍。二塁打を狙った最後の打席は単打だった。ベンチに戻る際、異例の光景を目にした。三塁側に座っている敵地のファンが立ち始め、スタンディングオベーションで背番号17を迎えたのだ。
ベーブ・ルース生誕の地とはいえ、東海岸の地方都市で相手チームの選手に拍手を送るのはなかなか見ない出来事だった。
全米での認知度は高まるばかりだが、大谷の振る舞いはいつもと何ら変わりない。
周囲は自然と笑顔に包まれる。クラブハウスにいると、ロッカーが隣の盟友パトリック・サンドバル、カルロス・エステベス、ミッキー・モニアク、ボールボーイのパルドさん……。投手、野手、スタッフ関係なく寄ってきては声をかける。
ルイス・レンヒーフォやモニアクにはちょっかいを出され、大谷も負けじと仲のいい選手や、時には相手チームの選手をイジる。
チームに同行する現地放送局「バリー・スポーツ・ウエスト」のエリカ・ウエストンさんは大谷のことを、野球を愛する「ジャイアント・キッド(大きな少年)だわ」と笑った。