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「カマダ獲得? バカげた話」番記者が笑われた翌日「ミランが接触を認めたぞ」鎌田大地“年俸4億円超オファー”の真偽は…不正会計ユーベも影響か
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byFantasista/Getty Images
posted2023/05/25 11:02
様々な移籍先が噂される鎌田大地。本田圭佑以来となる「ロッソネロの日本人プレーメーカー」誕生となるのか
優先補強ポジションは3つ。一つ目は昨季優勝の立役者だったケシエ(現バルセロナ)のようなフィジカルタイプMFで、残る2つはベテラン頼みの得点源を改善するための1トップ型フォワードと右ウイングだ。
ただし、CL準決勝でMFベンナセルが右膝を負傷。全治に最低6カ月を要することから、中盤の要を任せられる代役の確保が急務になった。ローコストでハイレベルの経験を持つ即戦力は希少で移籍市場に多く出回らない。
ここで急浮上してきたのが鎌田だ。
『ガゼッタ』紙の記者に探ってもらったところ…
ブンデスリーガでの5シーズン目を終えようとしている鎌田は、通算126試合に出場し(5/24時点)、昨季はUEFAヨーロッパリーグで優勝するなど実績は申し分ない。26歳でプレーヤーとして脂が乗ってきており、今季のCLグループステージで3得点するなど攻撃力も魅力だ。
ベンナセル(25歳)の穴埋め役としてボランチはもちろん、トップ下と左サイド、複数のポジションをこなせることからミランの戦力に厚みをもたらすのは間違いない。今季限りでフランクフルトとの契約を満了し、トランスファーフリーであることもミランの補強リクエストに合致する。
気になるのは情報サイトが報じた合意の真偽だが、一報の直後に『ガゼッタ』紙のミラン番記者に探りを入れてもらったところ、ミラン内部の有力な情報源から「馬鹿げた話だと一笑されたよ」(彼は情報源を明かさないが、筆者はマルディーニ本人だと推測している)。
ただし、これには含みがあり、当事者が「(交渉は)ない」と明言しないということは――つまり“接触はすでに進行中”と考えるのが移籍市場での考え方だ。果たして翌日、番記者は「ミランは鎌田側との接触を認めたぞ」と密かにチャットで伝えてきた。
4億4760万円の年俸も妥当ではないか
最初の報道が出た今月中旬の時点では、ミランの鎌田に対する獲得プライオリティは、19歳のMFカーニー・チュクエメカと27歳のMFルベン・ロフタス・チーク(ともにチェルシー)に次ぐ3番手以降と見なされていた。だが、諸々の条件が重なり合いごく短期間で優先度が逆転するのも移籍市場ではよくある話だ。
獲得予算は不要だから交渉の鍵は年俸面だろう。報道で伝えられる300万ユーロ(約4億4760万円)は、今季わずか3ゴールで期待を裏切り放出候補にも挙がるFWレビッチの350万ユーロ(約5億2223万円)と比べても妥当ではないか。