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今季“大ブレイク”DeNA関根大気は何が変わった? 本人が語る“メキシコでの知られざる苦闘”「ファンからの言葉にすごく考えさせられて…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/05/22 11:01
今季、打率3割を大きく上回り、主軸といえる働きを見せる関根。覚醒した感があるが、本人に話を聞くと…
「いろいろ試したことの結果ですね。もし今より確率が上がる打ち方があるのならば、今日にでも変えるでしょうけど、現状は右ならこう、左ならこうって統一をしています」
現在の結果を導いている打撃フォームやアプローチに至ったひとつの要因に、昨オフ10月から12月にかけ参加したメキシコ・ウィンターリーグがあると関根は語る。
「10月は結果を出すことができたんですけど、11月にまったく打てなくなって、12月頭にロースターを外れたんです。本当に苦しい時間だったんですけど、自分の中でいろいろ考えながらやっていく中で、12月後半は結果を出すことができました。で、向こうでいろいろやってきたことを持ち帰って、キャンプやオープン戦を含め、使えるモノ、使えないモノを選別して、今のカタチができたような感じですね」
「厳しい時間が多かった」昨オフのメキシコ
関根がメキシコ・ウィンターリーグに挑むのは、2019年オフにつづき2回目だ。チームは同じ、ヤキス・デ・オブレゴン。2019年はDeNAが全面的にバックアップする“派遣”という形だったが、今回は球団からメキシコへ行く許可をもらった以外はすべて関根が自分自身でセッティングをした。
そんな条件にも、「選手でいられる時間は有限。選手として価値のあるうちに試合に出られるだけ出たい」と、関根は喜び勇んで太平洋を渡った。
ヤキスのゼネラルマネージャーへの交渉や通訳の雇用など、考えていたよりも煩雑で大変な作業となり勉強にはなったが、一方で多方面にわたり手配をしてくれていた球団のありがたさが身に染みた。
しかし、先ほど本人も言っていたようにプレーでは結果が出ず苦しい時間もつづいた。
「ヤキス側としては“外国人選手”という限られた枠ですし、自分が打てないことに加え、チームが勝てない状況が重なって本当に厳しい時間が多かったですね」
自分自身を豊かにしてくれる経験
ただ、そんな自分を救ってくれたのも、メキシコという環境だった。