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ソダシvsスターズオンアースは競馬史に残るレースとなるか?「ウオッカとダイワスカーレット」以来の“名牝ライバル誕生”を期待してしまう理由
posted2023/05/13 17:01
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
強くて優美な「純白の女王」が、半年ぶりにターフに帰ってくる。
マイル女王を決める第18回ヴィクトリアマイル(5月14日、東京芝1600m、4歳以上牝馬GI)に、昨年このレースを制した白毛のソダシ(牝5歳、父クロフネ、栗東・須貝尚介厩舎)が出走する。昨年11月のマイルチャンピオンシップで3着に惜敗して以来の実戦。レース史上3頭目の連覇を目指す。
あのソダシももう5歳になった
あの「真っ白なアイドル」がもう5歳になったのか、と思われるかもしれないが、大事に使われているため、顔も馬体も動きも若々しい。それでいて、須貝調教師が「精神的に成長して、大人の女性になった」とコメントしているのだから、理想的な成長を遂げていることがわかる。
前走後、3カ月半ほど放牧に出されたあと、2カ月ほど在厩して調整されてきた。休みをしっかり取ったうえで、その後の仕上げの時間も十分確保できている。
芝のマイルでは5戦4勝。連覇は濃厚、と言いたいところだが、とんでもなく強い馬がほかにもいる。
昨年の牝馬二冠を制したスターズオンアース(牝4歳、父ドゥラメンテ、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。これがソダシとは初対決となる。
桜花賞では馬群をこじ開け、オークスでは大外18番枠から鋭く伸びて優勝。骨折による休養を経て臨んだ秋華賞は3着。それ以来の実戦となった今春の大阪杯では、出遅れながらも、逃げ切ったジャックドールを鼻差まで追い詰める2着。「負けて強し」の内容で、「勝ちに等しい」との声もあった。
ウオッカvsスカーレット以来の「名牝対決」に?
今年のヴィクトリアマイルは、ソダシとスターズオンアースの「二強対決」と見て間違いない。新旧の「桜花賞馬対決」でもあるわけだが、これほどの強さを見せてきた牝馬の「二強対決」はいつ以来だろう。
ヴィクトリアマイルでの対決はなかったが、2000年代後半にターフを沸かせた、ウオッカ対ダイワスカーレットの「名牝対決」以来かもしれない。