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地方馬でも“海外遠征”で輝ける? ケンタッキーダービーにはJRA勢2頭が出走予定、米国遠征する初の地方馬も登場「ホスト側も脅威と感じるのでは」
posted2023/05/06 06:00
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
AFLO
地方競馬所属馬として初めて海外遠征を敢行したのは'05年のアジュディミツオー(船橋・川島正行厩舎)。当時は大井所属だった内田博幸騎手を背にドバイワールドカップに挑戦して6着と健闘した。それから延べ19回の挑戦があり、コスモバルク(北海道・田部和則厩舎)が'06年のシンガポールエアラインズ国際カップを勝ったのが唯一の重賞勝利記録として残っている。
20回目の挑戦は、地方馬として初の米国遠征に打って出たマンダリンヒーロー(牡3歳、大井・藤田輝信厩舎、父シャンハイボビー)だ。5戦4勝の優秀な戦績だが、だからといって南関東最強とも言えない。
それでもサンタアニタダービー(4月8日、カリフォルニア州、サンタアニタパーク競馬場、ダート9ハロン、GI、総賞金100万ドル)に大きく舵を切ったのが陣営の慧眼。カナダでトップジョッキーとして活躍している木村和士騎手(23)の手腕を借りて、先に抜け出したプラクティカルムーヴに鋭く肉薄。ハナ差及ばなかったものの、2着に突っ込んで現地のファンを驚かせた。
ケンタッキーダービーには日本馬2~3頭が出走予定
大目標は、アメリカ競馬の祭典とも言われ、競馬場全体が薔薇の花とその香りに包まれるケンタッキーダービー(5月6日、ケンタッキー州、チャーチルダウンズ競馬場、ダート10ハロン、GI、総賞金300万ドル)だ。
英国のブックメーカー・ウィリアムヒルが設定した単勝オッズは8番人気の21倍と、大駆けの可能性も十分と評価しているが、ポイントによる出走順位は26位。フルゲートは20頭とかなりの広さだが、それでも上位馬の回避をじっと待つしかない立場だ。
JRA勢はデルマソトガケ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎、父マインドユアビスケッツ、C・ルメール騎手予定、4番人気11倍)と、コンティノアール(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎、父ドレフォン、坂井瑠星騎手予定、17番人気51倍)がすでに出走権を確定させて現地で調整中だ。(*注:コンティノアールは5月5日に出走を取り消すことを発表)
GI4勝を含む5連勝中のフォーテ(Forte、牡3歳、父Violence)が断然の主役と見られているが、米国のクラシック戦のクライマックスに日本馬が2頭出走すること自体が初めて。これに地方馬を含む3頭の挑戦となれば、ホスト側も多少なりとも脅威と感じてくれるのではないか。