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「出産時にアナウンサーの腹式呼吸が…」広瀬麻知子さん35歳、Jリーガーの妻になって気づいたこと「茶髪ロン毛というイメージでしたが」 

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間淳

間淳Jun Aida

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photograph byJun Aida

posted2023/05/05 11:07

「出産時にアナウンサーの腹式呼吸が…」広瀬麻知子さん35歳、Jリーガーの妻になって気づいたこと「茶髪ロン毛というイメージでしたが」<Number Web> photograph by Jun Aida

取材に応じてくれた広瀬さん。アナウンサー時代と同じく、朗らかな笑顔が印象的だった

「私は不器用でアドリブが利く瞬発力のあるタイプではありません。少しでも不安をなくすために、人一倍準備していました。事前に知っておけることは調べて、台本にも書き込んでいました。よく『しょんないには台本があるの?』と聞かれますが、私がいっぱいいっぱいになって出た一言を出演者やスタッフの皆さんに生かしてもらっただけなんです。周りに助けられました」

 バラエティのイメージが強いアナウンサーがニュースキャスターに抜擢されたことも異例だった。局は「広瀬 ニュースへ」と大々的に広告を打ち、イメージチェンジを図った。もちろん、それまでに定時ニュースや災害対応の訓練などでニュースの適性を見極めた上での起用だった。広瀬さんは光栄に感じながらも、入社1年目のトラウマから自信を持てずにいたという。

「入社したばかりの頃は、漢字が読めずに失敗していました。極早生(ごくわせ)ミカンが読めなくて怒られたことは今でもはっきりと覚えています。臨時で入ってきた原稿の漢字が全て読めない夢を見たこともあります。不安過ぎて、読める漢字にも全て読み仮名を振っていた時もありました。アナウンサーに向いていないので辞めますと、しょっちゅう上司に言っていましたね」

陣痛が来た時に腹式呼吸をしていたら…

 広瀬さんはアナウンサー時代を懐かしそうに回想する。印象に残っているのは失敗した場面が多い。しかし、「アナウンサーをしていて良かったと思うこともたくさんあります」と話す。そこで、「一番良かったと思うことは?」とたずねると、悩んだ末に出した答えが広瀬さんらしかった。

「的外れかもしれないんですけど、子どもを産む時に助産師さんから腹式呼吸が大事と言われていたんです。陣痛が来た時に腹式呼吸をしていたら、1人目の出産は4時間かかりませんでした。2人目は1時間くらいで産まれました。1人目の時に腹式呼吸が上手でしたとすごく褒められたんです。産むのが上手ですねと。アナウンサーの時に腹式呼吸をやっていて良かったなと思いました」

 たくさんあるはずの成功体験で、選んだのはアナウンサーの日課だった腹式呼吸。初産は半日、1日かかる人も珍しくない中、わずか4時間での出産。あまりにも順調で、離れて生活していた夫の河井選手は出産に立ち会えなかった。

【次ページ】 初めて話したサッカー選手が“負のイメージ”を払拭した

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