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「死んじゃいねえよ」失冠も前向きなジュリア、別格だったモネ、鈴季すずは翌日にデスマッチ…スターダム“横アリで敗れた女たち”のこれから
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/04/26 17:01
4月23日の横浜アリーナ。メインイベントでジュリアは中野たむに敗れ、赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)を失った
モネの言う「いとこ」とは著名なラッパーで俳優のスヌープ・ドッグのことだが、ロングビーチで何があるかは、察しが付く人もいると思う。
新日本プロレスが5月21日にロングビーチ大会を開催予定で、IWGP・US王座の次期挑戦者決定戦が行われることが決まっている。ロングビーチにいるモネが、そこに現れない手はない(4月24日、新日本プロレスはモネのロングビーチ大会出場を正式にアナウンスした)。
横アリの翌日、鈴季すずは蛍光灯デスマッチで血だらけに
ジュリアやモネの動向だけでなく、その翌日にデスマッチ集団プロミネンスから脱退を表明した鈴季すずも気になる。鈴季は横浜アリーナでの6人タッグ戦で、安納サオリにフォール負けしてアーティスト王座のベルトを手放している。安納へのリベンジも果たさなくてはならない。
鈴季がひめかの引退で人数の減ったDDMに新加入するかどうかは現時点では不明だが、主戦場がスターダムのリングであることは間違いないだろう。
鈴季はジュリアがかわいがっていた妹分で、「トンパチ娘」とか「ド変態」とか形容されるが、レスリングはきちんとしている。その鈴季がすんなりDDMに入るのか、はたまた、別の構想があるのかは不明だが、「最高峰を目指す」という姿勢は示している。
鈴季はジュリアの初防衛戦の相手として2月4日に赤いベルトに挑戦した。ノーザンライトボムに沈んだが、鈴季のいう「最高峰」が赤いベルトであることは容易に推察できる。王者が変わっても鈴季はチャレンジを続けるだろう。
横浜アリーナの翌日、4月24日に後楽園ホールで行われた葛西純と鈴季の蛍光灯デスマッチは壮絶だった。蛍光灯を蛍光灯と思わないパフォーマンス、血だらけで葛西に向かっていく姿は半端なかった。頭に竹串を突き刺されても躊躇することはなかった。
「オレはお前の親父と同じ年だ」と葛西は笑いながら鈴季をいたぶった。その姿は実に楽しそうだった。
鈴季はプロミネンスを抜けたが「デスマッチはやめない」と公言している。
筆者はジュリア、モネ、鈴季という奇妙なトライアングルを思い浮かべてしまった。このアンバランスな三角関係が、明確な形を成すことがあるのだろうか。
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