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藤井聡太20歳は「簡単に勝っているようだけど、本当は普通じゃない」高見泰地29歳も脱帽の“勝ち筋と人間性”「普段は自然体で…」 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/04/23 06:01

藤井聡太20歳は「簡単に勝っているようだけど、本当は普通じゃない」高見泰地29歳も脱帽の“勝ち筋と人間性”「普段は自然体で…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

叡王戦第1局での藤井聡太竜王

高見 まさにそうだと思います。ただしその筋道が立てられるのは、読みが非常に幅広くて深いことが大前提になります。読みがちゃんとしてなかったら、手がすっぽ抜けて大惨事になるので(笑)。藤井竜王の最終盤の〈詰む・詰まない〉の判断、さらにそこに行きつくまでに〈十数手先〉を読む力はズバ抜けています。何より強調したいのは、簡単に勝っているように見えるけど、この勝ち方っていうのは、本当は普通じゃないですからね(笑)。実現が難しいようなところをうまくやるなと思います。

叡王戦第1局も「完璧に近い内容に見えました」

 11日に行われた叡王戦第1局では菅井八段に先勝した。

「叡王戦の挑戦者は振り飛車党の菅井八段ということで、これまでの相居飛車のタイトル戦から対抗形(居飛車対振り飛車)のタイトル戦になるのでどのような戦いを見せるのか注目していました。

 菅井八段の〈あえて端を受けずに駒組みを進める〉という工夫の序盤に対して上手く戦機を捉え、95手目▲87桂という好手も出て序盤から不利になる局面なく押し切った、完璧に近い内容に見えました。第2局は菅井八段が先手番なので、藤井六冠がどう迎え撃つのかまた楽しみです」

 この一局について高見七段は上記のように振り返っていた。一方で2日に行われた「岡崎将棋まつり」では藤井竜王と顔を合わせたという。その素顔は20歳の青年らしい、朗らかなものだったそうだ。そのときの思い出を、こう語っていた。

「記念対局についての大盤解説をやらせていただいたり、控室でも久々にお話しできましたね。内容ですか? 〈お弁当、何にする?〉といった、たわいもないことですよ(笑)。将棋の第一人者としての自覚を感じさせる一方で、藤井竜王はどんなにタイトル獲得期数を重ねても、変わらないなあと。自分もそうですし、誰に対しても、背伸びせず謙遜しすぎもせずに……という。本当に自然体でいる素敵な方だなと思いましたね。

 そういった人間性もあって盤上以外でも注目を浴びてしまいがちですが、ここまで話した棋士としての能力にぜひ注目してもらいつつ、盤上に集中できる環境が整うことも願いたいですね」

#1からつづく>

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藤井聡太竜王が渡辺明名人に勝っても「自信のない展開」と話してた…「難しい将棋」ってどんな感覚?〈高見泰地七段に聞く〉

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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