酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「大谷翔平とトラウト、野球やりたい感全開だな」「佐々木朗希もダルも順調そう」WBC侍シーズン序盤を点検「源田壮亮と山川穂高は…」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/04/11 11:03
WBCで興奮と感動を日本中にもたらした侍ジャパン。所属チームに帰ってもおしなべて好調だ
WBCでも一番たくさん仕事をして文句なしにMVPを獲得したが、投手だけでなく打者としてもこの働き。日本時間4月10日のブルージェイズ戦では高校の先輩菊池雄星から3号本塁打を打った。「もっともっと野球がやりたかったんだー」という感じなのだろうか。
トラウト、サンドバルらWBC組も好調
日本と名勝負を繰り広げたアメリカ代表では、大谷翔平と「世紀の名勝負」を演じたマイク・トラウトは、エンゼルスでは大谷の前を打って9試31打11安3本9点、打率.355と絶好調だ。メキシコ戦で日本を苦しめた先発投手のパトリック・サンドバルは、エンゼルスでは大谷に次ぐ2番手先発。2試1勝0敗11回4振 率1.64と好調。大谷からは「まあまあいい投手じゃない」といじられている。
WBCの栗山英樹監督は――源田の負傷と山川の離脱については心を痛めているであろうが――それ以外の侍ジャパンの選手たちがほぼ深刻なトラブルなく原隊に復帰して、ほっと胸をなでおろしていることだろう。
前回優勝の2009年は、決勝打を打ったイチローがストレスもあって開幕から8試合を欠場、松坂大輔は2試合に先発するも結果が出ず、4月半ばに登録を抹消されこのシーズンは4勝に終わっている。栗山監督にとって「少数の選手に過度の重圧がかかることなく優勝できた」ことが一番誇らしいのではないだろうか？
侍サポートメンバーだったロッテ藤原が好調
【2023年4月3日～9日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
ロッテ5試5勝0敗0分 率1.000
ソフトバンク5試3勝2敗0分 率.600
西 武5試3勝2敗0分 率.600
オリックス6試2勝4敗0分 率.333
日本ハム6試2勝4敗0分 率.333
楽 天5試1勝4敗0分 率.200
ロッテが本拠地に戻ってから5連勝と絶好調。一方で楽天は本拠地で1勝2敗と調子が上がらず。日本ハムは昨年のリーグ覇者オリックスに敵地で2勝1敗。
〈打撃成績5傑（打撃の総合指標であるRC＝Run Create順）〉
藤原恭大（ロ）18打8安1本5点 率.444 RC6.30
茶野篤政（オ）21打10安 率.476 RC5.79
森友哉（オ）25打9安1本3点 率.360 RC5.42
藤岡裕大（ロ）7打6安1盗 率.857 RC5.09
万波中正（日）18打7安1本4点 率.389 RC4.88
1番に抜擢されたロッテの藤原が本塁打を打つなど大暴れ。5打点は5選手と並ぶトップタイ。侍ジャパンのサポートメンバーに選ばれるなど将来を嘱望されるバッターがいよいよ本格化か。史上初の育成ドラフト1年目に開幕スタメンを勝ち得た茶野も今週は1番に抜擢されてリーグ最多の10安打。4月9日時点で打率.414で首位打者だ。日本ハムの野村佑希が2本塁打。西武のペイトンと日本ハム矢澤宏太、楽天辰己涼介が2盗塁を成功している。
〈投手成績上位（リーグ防御率に基づくPR＝Pitching Run順）〉
髙橋光成（西）1登1勝8回 責0率0.00 PR2.67
石川柊太（SB）1登1勝7回 責0率0.00 PR2.33
今井達也（西）1登1勝7回 責0率0.00 PR2.33
宮城大弥（オ）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
山本由伸（オ）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
松本航（西）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
早川隆久（楽）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
佐々木朗希（ロ）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
種市篤暉（ロ）1登1勝6回 責0率0.00 PR2.00
メルセデス（ロ）1登6回 責0率0.00 PR2.00
各チームの先発投手が順当に滑り出したという印象だ。西武の髙橋は4月8日のソフトバンク戦で8回無失点の好投。ロッテの益田直也が3セーブ、同じくぺルドモが3ホールドだった。
