3年夏は県大会4回戦で敗れる。代打で起用された梅林は最後の打者となり、高校での「武」を終えた。部活引退後は「文」に専念し、現役での東大合格を目指した。東大はJAXA（宇宙航空研究開発機構）と様々な点で連携しており、それも大きな魅力だった。将来は宇宙関係の仕事をしたい――中学1年の時に芽生えた宇宙への関心は、静岡高での濃い3年間を経ても変わっていなかった。

　現役での東大合格にはあと少しで届かなかった。毎日10時間の勉強を重ねた浪人生活が始まったが、そこに悲壮感はなかったという。

「地元の予備校なので友達もたくさんいましたし、“普通の学生”になれたのが嬉しかったんです。受験勉強だけに専念できる日々は楽しく、浪人を楽しみながら成績を伸ばしていった感じでしょうか」

　浪人してすぐの模試で「A判定」を得ると、その後も順調で、梅林は1浪で東大の理科一類にパスする。静岡高野球部出身者としては、1浪を経て入学した1年先輩の奥田隆成（昨年まで東大野球部所属）に次ぐ2人目の東大合格者になった。

（つづく）

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