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異色のバスケ経歴は父親譲り?「1対1のスキルよりバスケットIQ」を求めて15歳で単身スペインへ…17歳でプロになった岡田大河の現在地
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byNBA
posted2023/04/11 11:01
未来のスター候補が集結する「BWBグローバルキャンプ」に招待された岡田大河(18歳)。登録身長は参加者の中でひときわ小さい5フィート9インチ(約175cm)だったが、スペインのプロリーグで磨く技術を披露した
「オフェンスの部分では通用して、自分がやりたいことができた時間帯はあったんですけれど、ディフェンスの部分ではミスマッチで突かれたり。もっとタフにやっていかないと今後、こういうレベル高い中でまわりより上にはいけないと思うんで、ディフェンスの部分でもしっかり成長していきたいと思います」と反省した。
「みんな自分が自分がっていう意識が強い選手たち、自信に満ちあふれた選手が来ているので、これからハングリー精神がもっと必要だなっていうのを改めて感じました。もっとこういうところに出て、自分をもっとしっかり出す、自分で全部シュートを打ちきるぐらいのメンタリティも必要だなっていうのを、改めて学ばせてもらいました。
ここに来させてもらったのは、これからの自分のバスケット人生にすごくいい経験になると思うんですけど、それを生かすためには、ここで学んだことをどんどん自分で、練習からアグレッシブに表現していかないといけないと思う。学んだことを次に生かすところまでしっかりやっていきたいと思います」
3000km離れた地から駆けつけた父
父卓也は、BWBグローバルキャンプの少し前に、静岡ジムラッツの活動でアトランタに滞在していた。そして、そこからソルトレイクシティまで、車で大陸横断して大河の晴れ舞台を見るために駆け付けた。距離にして約3000km、日本の北端から南端まで行くぐらいの距離だ。大河には告げることもなく、現地に向かった。
「(大河がBWBキャンプに参加すると聞いて)絶対見に行きたいなと思って。最初は会場に入れるかどうかわからなかったので、少しでも近くにいたいなっていう気持ちでした」と卓也。
大河も、どこかで父が来るのではないかという予感はあったという。
「なんとなく、アメリカにいるなら来るんじゃないかなと思っていました。遠いとかはあまり関係ないと思うので。驚かなかったけれど、ちょっとプレッシャーになりましたね。いつも、自分の試合は映像でしか見れていないと思うので、生で見に来てくれたときは成長したところとか見てもらいたいので」
父は、息子が世界の同世代トッププレイヤーたちに交じってプレーするところを見られたことがとにかく嬉しかったという。
「正直、本当に嬉しかったです。結果がどうであれ、彼自身の力で頑張って(BWBキャンプのメンバーに)入ったから、すごく嬉しくて」
世界の選手のなかでも大河の実力が通用するという手応えを感じた一方で、指導者らしく、課題やその解決方法まで考えていた。