異色のバスケ経歴は父親譲り？「1対1のスキルよりバスケットIQ」を求めて15歳で単身スペインへ…17歳でプロになった岡田大河の現在地

「身長、伸びたか？」

　父は息子の横に並ぶと、そう聞いた。

　息子は、現在スペインリーグ、EBAのセントロ・バスケット・マドリードに所属する岡田大河、18歳。父は元さいたまブロンコスの岡田卓也、46歳。18年前、大河が生まれた頃から、海外で通用する選手を育てようと、自チーム・静岡ジムラッツを率いてアメリカの独立リーグ、ABAに参戦し、現在もオーナー兼指導者兼現役選手として活動を続けている。父子2代、海外で活動するプロバスケットボール選手だ。

　冒頭のやりとりは、2月に大河が参加したバスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ（BWB）・グローバルキャンプを見るために、卓也が開催地、アメリカ、ユタ州のソルトレイクシティを訪れたときの一幕だ。

　見た感じ、息子は父の身長にほぼ追いついたようだ。

BWBグローバルキャンプに参加した岡田大河（右）。現地に駆けつけた父・卓也氏（178cm）と並んでもほぼ並んだように見える　©︎Yoko Miyaji

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「お父さんは超えたいよね？」と聞くと、大河からは「たぶん、超えています」との言葉が返ってきた。

　どうやら、身長だけの話ではなさそうだ。父も「すべて超えてるって言ってくるんで、いいです」と、少し悔しそうに、それでいてどことなく嬉しそうに話す。

「（大河は自分を）全然余裕で超えていると思います。中学から海外で結果出してるのだから、もう超えてますよ。シュート力とか、実際ゲームの土壇場でチームを勝たせてきてるのは、やっぱ、大河。すごいと思います。まぁ、本人には言わないですけど。（自分を超えたのは）嬉しいですね。実績として大河の経験は最高なので。でもお互い負けず嫌いだから、一緒に（1対1の競争を）やるときには負けないように戦ってます」

「いつかは自分も海外に行くんだろうな」

　父が言うように、大河は中学の頃からスペインで結果を出していた。中学1年のとき、現地のクラブチームに加わって出場したスペインの大会で活躍し、チームの優勝に貢献したのだ。

　当時はまだ日本を拠点としていたので、父の伝手でスペインのクラブチーム、ホスピタレットにその時期だけ所属させてもらい、大会に参加した。1年後に、再び同じチームに加わり、フランスで開催された大会に出場。しかし、今度はセルビアやフランス、ポーランドなどのヨーロッパのチームと対戦しても歯がたたず、「海外にいないとこういう子たちに置いてかれる」との思いを強くし、本格的に海外での活動に踏み出すことを決意した。

　もともと、子供の頃から、海外でプレーすることに対する壁や距離を感じていなかった。父に連れられ、小学生のときから頻繁にアメリカに行き、NBA選手やNBAチームが主催するバスケットボールキャンプに参加していたからだ。ケビン・デュラント主催のバスケットボールキャンプでMVPに選ばれたり、シューティング競争でNBA選手に勝ったこともあったという。ABAでプレーする父の姿も見ており、子供の頃から「いつかは自分も海外に行くんだろうな」と思っていたという。

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