サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「CLやELに出ているドイツ有望株のフィジカルに負けず…」パリ世代日本代表を撮って感じた“肉体とハートの充実ぶり”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/04/06 17:01
世代別のドイツ代表相手に2-2のドローは、パリ世代の頑張りが目立った一戦だった
同点で迎えた後半、日本がキックオフからロングフィードを前線に送ると、相手サイドバックが処理に手間取り、GKにパスを戻したが、そのルーズになったパスを佐藤が奪うとそのままGKをかわしてクロス。そこに詰めた細谷が直接ゴールに打ち込み逆転に成功した。ロングフィード自体は相手に渡ることになったが、そこへのプレスが相手のミスを誘発しゴールへつながった場面だった。
ドイツ先制からの日本の連続ゴールと、カタールW杯でドイツを破った再現なるかと思われたが、直後49分、失点につながるミスをした右サイドバック、アスタのクロスをボックス外から走り込んだデニスが見事に蹴り込み、すぐさま同点に追いつきドイツが意地を見せた。
後半は両チーム共に次々と交代策を見せたこともあったためか、よりオープンな展開に。それぞれがシュートシーンを見せる展開となった。前半ドイツ守備網に抑え込まれた鈴木も、相手のフィジカルに負けずドリブル突破を見せるシーンも増えた。
また日本では、藤田譲瑠チマや松村優太、西川潤などが途中出場すると果敢に自身の良さを発揮しようとチャレンジをしかけた。2失点こそしたものの、鈴木彩艶の身体能力を活かしたセービングは安定しており、木村、西尾、両CBとドイツ攻撃陣を跳ね返し続けると、試合は2-2のまま終わりを迎えた。
大岩監督が語った今後への課題とは
両チームにとって、勝ち切ることができた試合だったというような、悔しさを滲ませ健闘を讃えあった。試合後、大岩監督は「所属クラブで定位置を確保し出場している選手としていない選手で、コンディションに違いがある」とチーム作り以前に、各々が解決しなければならない課題を述べている。
ただ同世代で、すでにCLやELなどで出場を重ねている選手と肌を合わせたことで得た感覚、アウェイの雰囲気で、チームとして戦い切ったという経験は、パリ五輪に向け貴重な経験になったはず。
選手個々人、またチームとして、通用した点、通用しなかった点を所属クラブへ戻り、突き詰めていく日々がパリへ繋がっていく。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。